2026.06.27

民泊運営

民泊で複数物件を運営する場合に収益管理で意識すべきこと

民泊で複数物件を運営する場合に収益管理で意識すべきこと

民泊運営代行ならお任せください

完全無料 オンライン相談

民泊を複数物件で運営する場合、収益管理の精度が事業全体の成否を左右します。1物件だけの運営であれば売上と経費の把握は比較的シンプルですが、物件数が2件、3件と増えるにつれ、物件ごとの損益が見えにくくなり、気づかないうちに赤字物件を抱え続けるリスクが高まります。

実際に複数物件を運営するオーナーの中には、全体の売上は伸びているのに手元に残るキャッシュが減っているという状態に陥る方が少なくありません。この原因の多くは、物件単位の収益管理が曖昧なまま規模を拡大してしまったことにあります。

本記事では、民泊で複数物件を運営するオーナーが収益管理において具体的に何を意識すべきか、実務レベルのポイントを体系的に解説します。数値例や管理手法を交えながら、すぐに実践できる内容にまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

民泊の複数物件における収益管理が難しくなる理由

1物件運営と複数物件運営では、収益管理の複雑さがまったく異なります。1物件であれば月の売上から家賃・光熱費・清掃費・消耗品費などを差し引くだけで手残りがわかりますが、物件が増えると共通経費の按分、物件ごとの稼働率の差、エリアや間取りによる単価差など、変数が一気に増加します。

たとえば3物件を運営している場合、OTA(予約サイト)の手数料率が物件ごとに異なることがあります。Airbnbのホスト手数料は通常3%ですが、Booking.comでは12〜15%程度かかるため、同じ売上でも手取り額に大きな差が生まれます。また、運営代行会社への委託費用が物件によって月額固定か売上連動かで異なるケースも多く、全物件を一括りにして管理していると、どの物件が本当に利益を生んでいるのかが見えなくなります。

物件ごとの損益計算書を毎月作成する

売上の正確な把握と分解

まず取り組むべきは、物件ごとの月次損益計算書の作成です。売上については、宿泊料金だけでなく清掃料金の上乗せ分、長期滞在割引による減額分、OTAの手数料控除後の実質入金額を正確に記録する必要があります。たとえば1泊15,000円で月20泊の稼働があった物件でも、Booking.com経由が8割であれば、手数料控除後の実質売上は約258,000円(15,000円×20泊×0.86)となり、表面上の300,000円とは42,000円もの差が生まれます。

この差額を把握せずに経費を差し引くと、利益を過大に見積もることになります。予約チャネルごとの売上構成比を物件単位で記録する仕組みを整えることが、正確な損益管理の第一歩です。

固定費と変動費を明確に分離する

経費は固定費と変動費に分けて管理します。固定費には家賃(またはローン返済額)、Wi-Fi回線料、各種保険料、住宅宿泊事業届出に関連する費用などが含まれます。変動費には清掃費、消耗品費(アメニティ・リネン等)、光熱水費、OTA手数料、運営代行手数料などが該当します。

具体例として、家賃8万円の物件で月間売上が20万円、変動費が6万円の場合、粗利益は14万円、営業利益は6万円です。一方、家賃12万円の物件で月間売上が25万円、変動費が8万円の場合、粗利益は17万円ですが営業利益は5万円にとどまります。売上だけを見れば後者が優秀ですが、利益ベースでは前者が上回っています。こうした判断は物件ごとの損益計算なしには不可能です。

稼働率と客室単価のバランスを物件ごとに最適化する

RevPAR(販売可能客室あたり収益)で比較する

複数物件の収益力を比較する指標として有効なのがRevPAR(Revenue Per Available Room)です。これは「平均客室単価×稼働率」で算出される指標で、ホテル業界では標準的に使われています。たとえば平均単価12,000円で稼働率70%の物件AのRevPARは8,400円、平均単価9,000円で稼働率90%の物件BのRevPARは8,100円となり、物件Aのほうが収益効率は高いと判断できます。

民泊においても、このRevPARを物件ごとに月次で追跡することで、値下げして稼働率を上げるべきか、単価を維持して稼働率の低下を許容すべきかの判断材料になります。闇雲に価格を下げて稼働率を追いかけると、清掃回数の増加や消耗品費の上昇で利益が減少する場合があるため注意が必要です。

シーズナリティへの対応を物件ごとに変える

観光エリアの物件とビジネスエリアの物件では繁忙期・閑散期のパターンが異なります。観光エリアでは年末年始やゴールデンウィーク、夏休みに需要が集中しますが、ビジネスエリアでは平日の安定需要がある代わりに祝日は落ち込む傾向があります。

このため、全物件に同じ価格戦略を適用するのは非効率です。ダイナミックプライシングツールを導入する場合でも、物件の立地特性に合わせて最低価格・最高価格の設定値を個別に調整する必要があります。たとえばビジネスエリアの物件は平日の最低価格を8,000円に設定し、観光エリアの物件は繁忙期の上限を25,000円まで引き上げるといった差別化が収益最大化につながります。

経費の一括管理と按分ルールを明確にする

共通経費の按分基準を事前に決める

複数物件を運営すると、会計ソフトの利用料、スマートロックの管理システム月額費、運営者自身の交通費、税理士への顧問料など、特定の物件に紐づかない共通経費が発生します。これらを「なんとなく均等割り」で処理している方が多いですが、物件の売上規模や面積に応じた按分ルールを事前に決めておくことが重要です。

一般的な按分方法としては、売上比按分(各物件の売上構成比で配分)や面積比按分(各物件の床面積比で配分)があります。たとえば3物件の月間売上がそれぞれ30万円、20万円、10万円で、税理士顧問料が月3万円の場合、売上比按分では15,000円、10,000円、5,000円と配分します。この基準を期中で頻繁に変更すると比較分析ができなくなるため、年度単位で固定することを推奨します。

消耗品の一括購入によるコスト削減効果を数値化する

複数物件を運営するメリットのひとつが、消耗品のスケールメリットです。シャンプーやボディソープ、ペーパー類などを物件ごとに少量購入するのではなく、一括で大量購入することで単価を下げられます。たとえばアメニティセットを1物件分として30セット購入すると1セット300円かかるものが、3物件分90セットをまとめて発注すると1セット220円になるケースがあります。

この場合、月間で合計90セット消費するなら月7,200円、年間で86,400円のコスト削減になります。こうした削減効果を数値で記録し、各物件に使用数量ベースで配分することで、物件ごとの正確な利益率が見えてきます。

キャッシュフローと利益を区別して管理する

OTAの入金サイクルを把握する

損益計算上は黒字でも、手元資金が不足する状況は複数物件運営で頻繁に起こります。その主な原因はOTAごとの入金タイミングのずれです。Airbnbはゲストのチェックイン翌日から約24時間後に送金処理が始まりますが、Booking.comは月末締め翌月払いなど、支払いサイクルが異なる場合があります。

3物件でそれぞれ異なるOTAをメインに使っている場合、ある月に売上が集中しても実際の入金は翌月にずれ込み、その間に家賃や清掃費の支払いが先行する事態が発生します。特に月間経費の合計が50万円を超えるような運営規模では、最低でも2か月分の運転資金(100万円以上)を確保しておくことが安全ラインの目安です。

減価償却費と実際の支出の乖離を意識する

家具・家電・内装などの初期投資は、会計上は減価償却費として数年にわたって費用計上しますが、実際の支出は購入時に一括で発生しています。たとえば1物件あたりの家具家電の初期投資が80万円、耐用年数5年で定額法を適用すると年間16万円、月額約13,300円の減価償却費が計上されます。

3物件を同時に立ち上げると初期投資は240万円ですが、月次の損益計算上は約4万円しか費用として現れません。帳簿上の利益とキャッシュフローの乖離を認識しないまま追加投資に踏み切ると、資金ショートのリスクが高まります。物件を増やす際は、損益計算書とは別にキャッシュフロー計算書を作成し、実際のお金の流れを把握するようにしてください。

撤退基準を数値で設定しておく

損益分岐稼働率を物件ごとに算出する

複数物件を運営していると、感覚的に「この物件は厳しいかもしれない」と思いつつも、撤退の判断を先送りにしがちです。これを防ぐために、物件ごとの損益分岐稼働率を事前に算出しておきます。計算式は「月間固定費÷(平均客室単価−1泊あたり変動費)÷月間販売可能日数」です。

たとえば月間固定費が10万円、平均客室単価が12,000円、1泊あたり変動費(清掃費・消耗品費等)が3,000円、月間販売可能日数が30日の場合、損益分岐稼働率は約37%(10万円÷9,000円÷30日)となります。この数値を下回る月が3か月連続した場合は価格戦略の見直しまたは撤退を検討する、といったルールを設定しておくと、感情に左右されない経営判断が可能になります。

撤退コストも事前に見積もる

賃貸物件で民泊を運営している場合、撤退時には原状回復費用、家具家電の処分費用、残存リース料、予約済みゲストのキャンセル対応コストなどが発生します。これらの撤退コストを事前に見積もっておくことで、赤字物件を続ける損失と撤退コストを比較し、合理的な判断ができます。

一般的に、1Kから1LDK程度の物件では原状回復と家具処分で30万〜50万円程度が目安です。月間赤字が5万円の物件であれば、6〜10か月以内に撤退したほうがトータルの損失は小さくなる計算です。この判断を素早く行えるかどうかが、複数物件運営の持続性を大きく左右します。

民泊の収益管理でお悩みならStay Buddy株式会社にご相談ください

複数物件の収益管理は、物件数が増えるほど煩雑になり、オーナー個人の労力だけではカバーしきれない領域が出てきます。物件ごとの損益把握、価格戦略の最適化、経費の按分管理など、専門的な知見と実務経験が求められる場面は少なくありません。

民泊運営代行のStay Buddy株式会社では、収益管理を含めた民泊運営の包括的なサポートを提供しています。物件ごとの月次レポート作成、ダイナミックプライシングの導入支援、OTAの最適な組み合わせ提案など、オーナーの利益最大化を目的とした具体的な施策をご提案いたします。

複数物件の運営を検討している方、すでに運営中で収益の改善を図りたい方は、ぜひ一度Stay Buddy株式会社までお問い合わせください。現状の運営データをもとに、改善の余地がどこにあるのかを具体的にお伝えいたします。

こちらの記事もオススメ

もっと見る

感動と利益を最高潮へ。

運営の悩み、清掃の課題、空き家の活用。
全てにおいて最適解をご提案します。