2026.06.28

物件構築

民泊の180日制限のもとで年間収益を設計する基本的な考え方

民泊の180日制限のもとで年間収益を設計する基本的な考え方

民泊運営代行ならお任せください

完全無料 オンライン相談

民泊の180日制限のもとで安定した収益を確保するには、日数の上限を前提とした逆算型の収益設計が欠かせません。住宅宿泊事業法(民泊新法)では年間の営業日数が最大180日に制限されており、この枠内でどれだけ高い稼働率と客室単価を実現できるかが事業の成否を分けます。

一般的なホテルや旅館であれば365日営業が可能ですが、民泊では営業できる日数が約半分に限られます。そのため、1泊あたりの売上を最大化する戦略と、残りの約185日をどう活用するかという二軸の発想が求められます。本記事では、民泊の180日制限を踏まえた年間収益の設計方法を、具体的な数値や事例を交えながら解説します。

これから民泊を始めようとしている方、すでに運営しているが収益が伸び悩んでいる方に向けて、実務レベルで活用できる考え方を整理しました。最後まで読んでいただくことで、180日という制約を戦略的に捉え直すきっかけになるはずです。

民泊の180日制限が収益構造に与える影響を正しく理解する

住宅宿泊事業法に基づく届出住宅では、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間で最大180日(泊)しか営業できません。この制限は宿泊日数ベースでカウントされるため、正午チェックイン・翌日正午チェックアウトの1泊2日は「1日」として算定されます。たとえば月平均にすると約15日しか営業できない計算になり、365日営業のホテルと比べると売上機会は半分以下に制限されます。

この制約が収益に与える影響は非常に大きく、仮に1泊1万円で180日フル稼働しても年間売上は180万円にとどまります。ここから清掃費、管理費、光熱費、消耗品費、プラットフォーム手数料などを差し引くと、手残りはさらに少なくなります。つまり180日制限下では、通常の不動産投資や宿泊業と同じ感覚で収支を考えると、想定を大きく下回る結果になりかねません。だからこそ、最初の段階で180日を前提とした収益モデルを組み立てることが不可欠です。

年間収益のシミュレーションを数値で組み立てる

目標売上から逆算する考え方

収益設計の第一歩は、目標とする年間売上を設定し、そこから1泊あたりの必要単価を逆算することです。たとえば年間売上目標を360万円に設定し、180日のうち稼働率80%(144泊)を見込む場合、1泊あたりの平均単価は2万5,000円が必要になります。稼働率を90%(162泊)まで引き上げられるなら、平均単価は約2万2,200円に下がります。このように稼働率と単価の組み合わせで目標を検証し、現実的に到達可能なラインを見極めることが重要です。

経費を差し引いた手残りの計算

売上だけでなく、経費を差し引いた営業利益で考える必要があります。主な経費項目と年間の目安は次のとおりです。清掃費は1回あたり5,000〜8,000円で年間144泊なら72万〜115万円、プラットフォーム手数料は売上の3〜15%程度、消耗品・アメニティ費は月1〜2万円で年間12〜24万円、光熱費・通信費は月1〜3万円で年間12〜36万円、運営代行を利用する場合は売上の20〜35%が相場です。年間売上360万円に対し、自主運営でも経費総額は120〜180万円程度かかるため、手残りは180〜240万円程度が一つの目安となります。

稼働率を高めるための実践的な戦略

180日の営業日を繁忙期に集中させる

180日の使い方で収益は大きく変わります。年間を通じて均等に月15日ずつ営業するよりも、宿泊需要が高まる時期に集中して営業日を配分するほうが、平均単価と稼働率の両方を引き上げられます。たとえば桜のシーズン(3〜4月)、大型連休(5月・8月・12月末〜1月)、紅葉シーズン(10〜11月)に営業日を厚く配分し、閑散期は営業日数を抑えるという考え方です。繁忙期には平日でも1泊3万円以上の単価が見込めるエリアもあり、閑散期に1万5,000円で営業するよりも180日全体の売上が大幅に向上します。

最低宿泊日数と料金設定の工夫

繁忙期には最低宿泊日数を2泊以上に設定することで、清掃回数を減らしつつ稼働日数を効率的に消化できます。たとえば2泊セットで販売すれば、清掃は1回で済む一方、宿泊日数は2日分カウントされます。清掃費が1回8,000円の場合、1泊ごとに清掃するケースと比べて年間で数十万円のコスト削減が可能です。また、直前予約には割引を適用して空室を埋め、早期予約には定価で販売するといったダイナミックプライシングも有効な手法です。

客室単価を引き上げるための具体的な施策

物件の差別化とターゲット設定

180日制限がある以上、薄利多売の戦略は成立しにくく、1泊あたりの単価を高める方向に舵を切ることが合理的です。そのためには「誰に泊まってほしいのか」を明確にし、その層が求める価値を提供する必要があります。たとえばファミリー層をターゲットにするなら、広いリビング・キッチン設備・洗濯機の充実が差別化要因になります。インバウンド旅行者を狙うなら、和室・檜風呂・地域体験の紹介といった日本らしさの演出が有効です。

レビュー評価と掲載順位の関係

Airbnbなどのプラットフォームでは、レビュー評価が掲載順位と予約率に直結します。評価4.8以上の物件は検索結果の上位に表示されやすく、結果として高い単価でも予約が入りやすくなります。清潔さ・コミュニケーション・チェックイン体験・設備の正確さといった評価項目ごとに改善を重ね、スーパーホストの認定を維持することが単価アップの基盤になります。具体的には、チェックイン前に写真付きの案内メッセージを送る、滞在中に困りごとがないか確認のメッセージを入れるといった対応で、レビュー評価は着実に向上します。

残りの185日間を収益化する方法を考える

マンスリー賃貸への転用

180日の営業上限に達した後の残り約185日間を遊ばせておくのは大きな機会損失です。有力な選択肢のひとつがマンスリー賃貸(短期賃貸借)への転用です。これは旅館業法の許可がなくても、一般的な賃貸借契約として30日以上の期間で貸し出す方法で、月額10〜20万円の賃料収入を得られるケースがあります。出張者や一時帰国者、リフォーム期間中の仮住まい需要など、マンスリー賃貸の需要は一定数存在します。

ウィークリー賃貸やスペース貸しの活用

エリアや物件の特性によっては、ウィークリー賃貸(7日以上の短期賃貸借契約)や、時間貸しのレンタルスペースとして活用する方法もあります。レンタルスペースとして1時間2,000〜5,000円で貸し出す場合、月に20回利用があれば月額4〜10万円の収入になります。撮影スタジオ、ワークショップ会場、パーティー利用など、宿泊以外の用途を開拓することで、年間を通じた収益の底上げが可能になります。ただし、用途変更に伴う消防法や建築基準法上の確認が必要な場合もあるため、事前の調査は欠かせません。

180日制限を超えたい場合の選択肢を把握する

旅館業法の許可取得による365日営業

180日制限は住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく届出住宅に適用されるルールであり、旅館業法の簡易宿所営業許可を取得すれば年間365日の営業が可能になります。ただし、許可取得にはフロント設備の設置義務(自治体により緩和措置あり)、用途地域の制限、消防設備の整備など、届出住宅よりも厳しい要件をクリアする必要があります。初期投資として100〜300万円程度の追加費用がかかるケースも多く、収支シミュレーションを慎重に行ったうえで判断すべきです。

届出住宅と簡易宿所の併用は不可

よくある誤解として「同じ物件で180日は届出住宅として、残りは簡易宿所として営業する」という考え方がありますが、同一の物件で両方の制度を同時に適用することはできません。どちらか一方の制度を選択する必要があるため、180日制限が事業計画に合わないと判断した場合は、最初から旅館業法の許可取得を目指すか、180日の範囲内で最大限の収益を狙う設計に切り替えるか、方針を明確にすることが大切です。

収益設計で見落としやすい落とし穴

自治体独自の上乗せ規制

住宅宿泊事業法の180日制限に加えて、自治体が独自に営業可能な期間や曜日をさらに制限している場合があります。たとえば住居専用地域での平日営業を禁止している自治体や、特定の期間に営業を制限している自治体も存在します。こうした上乗せ規制により、実質的に営業可能な日数が100日前後に減る可能性もあるため、届出前に必ず所在地の自治体の条例を確認し、実際の営業可能日数をベースにシミュレーションを行う必要があります。

初期投資の回収期間を過小評価するリスク

民泊の初期投資には、物件取得費や賃料のほかに、家具・家電の購入(30〜80万円)、消防設備の設置(10〜50万円)、届出書類の作成費用(行政書士に依頼する場合15〜30万円)などが含まれます。年間の手残りが200万円だとしても、初期投資が300万円であれば回収に1年半かかります。180日制限があるぶん、365日営業可能な宿泊施設と比べて回収期間が長くなる傾向があるため、資金計画の段階でこの点を織り込んでおくことが不可欠です。

民泊運営のご相談はStay Buddy株式会社へ

180日制限のもとで民泊の収益を最大化するには、物件選定から料金設計、営業日の配分、閑散期の活用まで、多岐にわたる判断が求められます。とくに初めて民泊運営に取り組む方にとっては、収支シミュレーションの精度や法令対応の確認に不安を感じる場面も多いのではないでしょうか。

Stay Buddy株式会社は、民泊の運営代行サービスを通じて、物件ごとの収益設計から日々のゲスト対応、清掃手配、レビュー管理まで一貫してサポートしています。180日の営業日をどの時期に集中させるか、残りの期間をどう収益化するかといった戦略面についても、豊富な運営実績をもとに具体的なアドバイスが可能です。

「自分の物件で本当に収益が出るのか」「どのくらいの単価設定が妥当なのか」といった疑問がある方は、まずはお気軽にStay Buddy株式会社までお問い合わせください。物件情報をもとにした無料の収支シミュレーションもご用意しています。

こちらの記事もオススメ

もっと見る

感動と利益を最高潮へ。

運営の悩み、清掃の課題、空き家の活用。
全てにおいて最適解をご提案します。