2026.06.25

基礎知識

民泊でイベント・連休時期に価格を調整する際の考え方

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民泊の価格調整が収益を左右する理由

民泊運営において、価格の調整は収益を最大化するための最も重要な戦略のひとつです。特にイベントや連休といった需要が急増する時期に適切な価格設定ができるかどうかで、年間の売上が大きく変わります。たとえば、通常1泊8,000円で運営している物件でも、大型連休やコンサート開催時には1泊15,000円〜25,000円で予約が埋まるケースは珍しくありません。

しかし、単に値上げすればよいわけではありません。価格を上げすぎれば予約が入らず空室のままになり、低すぎれば本来得られたはずの利益を取り逃がします。この記事では、イベントや連休時期における民泊の価格調整について、具体的な考え方・手法・注意点を解説します。需要の波を読み取り、適正価格で稼働率と単価の両方を高めるための実践的な知識を身につけてください。

民泊における価格調整の基本的な考え方

ダイナミックプライシングとは

ダイナミックプライシングとは、需要と供給のバランスに応じて価格をリアルタイムに変動させる手法です。航空券やホテル業界では以前から一般的でしたが、近年は民泊でも広く取り入れられています。Airbnbなどのプラットフォームにもスマートプライシング機能が搭載されており、周辺の予約状況や過去のデータをもとに自動で価格を調整する仕組みが用意されています。

ただし、プラットフォームの自動機能は必ずしも収益最大化を目的としているわけではありません。予約成立数を重視する傾向があるため、手動で上限・下限を設定するか、PriceLabs・Wheelhouse・Beyond Pricingなどの外部ツールを併用することで、より精度の高い価格調整が可能になります。外部ツールの月額費用は1物件あたり2,000〜5,000円程度が相場で、それによって月に数万円単位の収益増が見込めるため、費用対効果は高いといえます。

ベース価格と変動幅を決める

価格調整を行う前提として、まず自分の物件の「ベース価格」を明確にしておく必要があります。ベース価格とは、需要が平均的な平日の宿泊料金のことで、固定費・変動費・目標利益率から逆算して設定します。たとえば、家賃10万円・光熱費1.5万円・清掃費(月8回で4万円)・消耗品費1万円・運営代行費3万円の物件であれば、月間経費は約19.5万円です。月20泊の稼働を前提にすると、1泊あたりの損益分岐点は約9,750円になります。ここに利益を上乗せして、ベース価格を12,000円前後に設定するといった計算です。

変動幅については、ベース価格に対して繁忙期は1.3〜2.5倍、閑散期は0.7〜0.9倍が一般的な目安です。たとえばベース価格12,000円の物件なら、大型連休時は18,000〜30,000円、閑散期の平日は8,400〜10,800円といったレンジで設定します。変動幅を決めておくことで、感覚的な値付けではなく、根拠のある価格調整ができるようになります。

イベント時期の価格設定で押さえるべきポイント

イベントの種類と影響度を分類する

すべてのイベントが同じように宿泊需要を押し上げるわけではありません。イベントを「影響度」で分類し、それぞれに適した価格帯を設定することが大切です。たとえば、数万人規模の音楽フェスやスポーツの国際大会は周辺エリアの宿泊需要を2〜3倍に押し上げるため、ベース価格の2倍以上を狙えます。一方、地域の祭りや中規模の展示会では需要増は1.3〜1.5倍程度にとどまることが多く、それに見合った価格設定が適切です。

具体的には、自分の物件から会場までのアクセス時間も価格に大きく影響します。会場まで徒歩圏内であればプレミアム価格を設定できますが、電車で30分以上かかる場合は過度な値上げは予約率を下げる原因になります。過去の同時期の予約データや、周辺ホテルの価格動向を確認し、イベントごとに適正な上乗せ幅を見極めましょう。

価格変更のタイミングを見極める

イベント時の価格調整で見落とされがちなのが、「いつ価格を変更するか」という時間軸の戦略です。一般的に、大規模イベントの場合は開催の2〜3か月前から高めの価格を設定しておき、早期予約で高単価を確保します。開催1〜2週間前になっても空室が残っている場合は、段階的に10〜15%ずつ値下げして稼働率を優先する判断も必要です。

逆に、直前になって予約が急増するパターンもあります。アーティストの追加公演が発表された場合や、スポーツの決勝進出が決まった場合などです。こうしたケースでは、直前の48時間で価格を引き上げても予約が入ることがあります。重要なのは、予約状況を毎日チェックし、固定した価格で放置しないことです。少なくとも週に2〜3回は価格の妥当性を確認する習慣をつけてください。

連休時期に価格を上げるときの具体的な戦略

連休の規模に応じた価格レンジの設定

日本の連休にはさまざまな規模があり、それぞれ需要の大きさが異なります。ゴールデンウィークやお盆、年末年始は全国的に移動が活発になる大型連休で、通常価格の1.8〜2.5倍が目安です。3連休(体育の日やシルバーウィークなど)の場合は1.3〜1.8倍程度、土日に1日有休を足した程度の小規模な連休では1.1〜1.3倍が現実的なレンジです。

たとえば、ベース価格12,000円の物件であれば、ゴールデンウィークは21,600〜30,000円、3連休は15,600〜21,600円、通常の週末は13,200〜15,600円といった段階を設けます。この段階設定を年間カレンダーに落とし込んでおくと、都度悩む手間が省け、価格の一貫性も保てます。

最低宿泊日数の設定を活用する

連休時期は、最低宿泊日数(ミニマムステイ)の設定が収益に大きく影響します。たとえば、5連休のうち中日の2泊だけ予約が入り、前後が空室になるケースは非常にもったいない状態です。こうした「虫食い」を防ぐために、連休期間中は最低宿泊日数を2〜3泊に設定するのが効果的です。

ただし、最低宿泊日数を長く設定しすぎると、そもそも予約が入りにくくなるリスクもあります。連休開始の10日前時点で予約が入っていなければ、最低宿泊日数を1泊に戻し、価格も若干下げて稼働率を確保するという柔軟な対応が求められます。結局のところ、空室のまま連休が過ぎるのが最も大きな機会損失です。価格と最低宿泊日数は、予約状況を見ながらセットで調整してください。

価格調整で失敗しやすい3つのパターン

競合を見ずに自分の感覚だけで値付けする

周辺の民泊やホテルの価格を確認せずに、自分の希望だけで値付けをしてしまうのはよくある失敗です。たとえば、同エリア・同規模の物件が15,000円で出ているのに、自分だけ25,000円に設定していれば、よほどの差別化要素がない限り予約は入りません。Airbnbの地図検索で周辺物件の価格を確認する、Booking.comで同エリアのホテル価格を調べるなど、競合調査は最低限の作業として習慣化すべきです。

目安として、同エリア・同規模・同グレードの物件の平均価格から±15%以内に収めるのが安全圏です。これを超える価格を設定する場合は、写真のクオリティ、レビュー評価4.8以上、駅徒歩3分以内といった明確な優位性が必要になります。

値上げ後に価格を戻し忘れる

イベントや連休に合わせて価格を上げたものの、期間終了後に通常価格に戻し忘れるケースは意外と多く発生します。たとえば、連休明けの平日に25,000円のままで放置していると、当然予約は入りません。さらに、予約が入らない期間が続くと、プラットフォーム上での検索順位が下がり、その後の集客にも悪影響を及ぼします。

この問題を防ぐには、カレンダー上で日ごとに価格を設定する方法が確実です。外部のダイナミックプライシングツールを使えば、期間指定で自動的に価格を切り替えられるため、戻し忘れのリスクを大幅に減らせます。手動で管理する場合は、スマートフォンのリマインダーに「価格を戻す」というタスクを登録しておくだけでも効果があります。

閑散期にも高い価格を維持してしまう

繁忙期の成功体験から、閑散期にも高い価格を維持してしまうパターンもあります。1月中旬〜2月や、6月の梅雨時期は全国的に宿泊需要が落ち込みます。この時期にベース価格のまま運営していると、稼働率が月10泊以下に落ち込み、固定費すら回収できなくなることがあります。

閑散期には思い切ってベース価格の70〜80%まで下げ、稼働率を確保する判断が重要です。仮にベース価格12,000円の物件を8,400円に下げて月18泊稼働させた場合、売上は151,200円です。12,000円のまま月8泊しか稼働しなければ96,000円にとどまります。価格を下げてでも稼働を確保するほうが、固定費の回収と収益の安定につながるケースが大半です。

年間を通じた価格カレンダーの作り方

まず年間の需要波動を把握する

価格調整を場当たり的に行うのではなく、年間の需要波動を把握したうえで事前にカレンダーを作成しておくことが効率的です。一般的に、民泊の需要が高まるのは3月下旬〜4月上旬(桜・春休み)、ゴールデンウィーク、7〜8月(夏休み)、10〜11月(紅葉・行楽シーズン)、年末年始です。これらの時期にはベース価格の1.5〜2.5倍を設定します。

加えて、自分の物件のエリア特有のイベント(花火大会、マラソン大会、学会など)もカレンダーに書き込みます。前年の開催日程を参考に、今年の開催予定日をリストアップしておけば、直前になって慌てることがなくなります。年間カレンダーを1月中に作成し、四半期ごとに見直すサイクルを回すのがおすすめです。

価格帯を4段階に分けて管理する

運営を効率化するために、価格帯を「閑散期」「通常期」「繁忙期」「超繁忙期」の4段階に分けて管理する方法が実用的です。たとえばベース価格12,000円の物件なら、閑散期8,500円、通常期12,000円、繁忙期18,000円、超繁忙期25,000円といった設定です。すべての日程をこの4段階のいずれかに分類しておけば、個別に悩む時間を大幅に減らせます。

この4段階をベースにしつつ、予約の入り具合によって微調整を加えます。たとえば繁忙期に設定した週末でも、予約日の2週間前時点で空室であれば通常期の価格に下げるルールを決めておくと、判断に迷いがなくなります。運営を属人的な勘に頼らず、仕組みとして回すことが安定収益への近道です。

民泊の価格調整でお悩みならStay Buddy株式会社にご相談ください

イベントや連休時期の価格設定は、エリアの需要特性・競合状況・物件の強みなど、複数の要素を総合的に判断する必要があります。自分一人で最適解を見つけるのは簡単ではなく、特に複数物件を運営している場合は管理が煩雑になりがちです。

民泊運営代行のStay Buddy株式会社では、ダイナミックプライシングの設計から日々の価格更新まで、収益最大化を目的とした価格戦略を一括でサポートしています。過去の予約データやエリアの需要動向を分析し、物件ごとに最適な価格カレンダーを作成・運用します。

価格調整だけでなく、清掃手配・ゲスト対応・リスティング最適化まで含めたトータルの運営代行が可能です。「もっと収益を伸ばしたい」「価格設定に時間を取られたくない」とお考えのオーナー様は、ぜひ一度Stay Buddy株式会社までお気軽にお問い合わせください。

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