民泊では、旅行者やビジネスパーソンが「自宅のようにくつろげる空間」を期待して宿泊します。そんなゲストの滞在体験を左右する大きな要素が、清潔感です。いくら物件の立地やインテリアが魅力的でも、清掃が行き届いていないだけで「ここは不衛生だ」「リピートはない」と思われ、厳しい低評価やクレームにつながってしまいかねません。

しっかりとした清掃体制を組んでおけば、レビューサイトでも「とても綺麗」「安心して過ごせた」と高評価を得やすく、さらなるゲストの呼び込みにつながります。それでは、短時間で部屋をリセットし、かつ細部までこだわった清掃を実現するにはどのようなコツが必要なのでしょうか。

1. なぜ“細部へのこだわり”が重要なのか

民泊清掃は、チェックアウトとチェックインのあいだの短い時間で完璧に仕上げる必要があります。すると、最終的な確認が雑になりやすく、「時間がなくて隅々まで掃除できていなかった」という事態が起こりがちです。一方でゲストは、小さな髪の毛一本やゴミの残骸、排水口のカビといった“細部”にこそ敏感に反応します。

ネットやSNSでレビューを投稿する際、「気になる汚れがあった」「掃除が行き届いていない」といった指摘があるだけで大きなマイナス評価になってしまうケースは珍しくありません。細部までこだわって清掃できるかどうかが、ゲスト満足度向上のキーポイントとなるのです。

2. 基本の清掃手順をおさらい

細部へのこだわりを生かす前提として、清掃の基本手順をおさえておきましょう。スタート時点で大まかな流れを決めておけば、作業がスムーズに進み、仕上げに細部をチェックする時間を確保しやすくなります。

2-1．ゴミの回収とリネン類の撤去

部屋に入ったら、まずはゴミ回収から始めます。リビングやバスルーム、キッチンのゴミ箱に捨て忘れがないか確認し、テーブルや床に落ちているゴミもまとめて一袋に。ゲストの置き忘れ品があれば別途保管・報告の流れを決めておきます。次に**リネン類（シーツ、枕カバー、タオル類）**をすべて外して回収し、置き場所を分けておくと後で混ざらずに済みます。

2-2．掃除機がけ・床の拭き掃除

床面は髪の毛や埃、食べかすなどが溜まりやすい場所です。短時間で効率良く取り除くために、掃除機がけを行い、必要に応じてモップや拭き掃除を使い分けると良いでしょう。床材がフローリングかカーペットかによって清掃方法は異なりますが、部屋の隅やベッド下は見落としがちなので特に注意が必要です。

2-3．水回りの清掃（トイレ・バスルーム・キッチン）

水回りは一番クレームが起きやすい箇所です。カビや水垢があるとゲストは非常に不快に感じます。トイレは便器の内側から外側、床、換気扇まで丁寧に。バスルームは排水口やカランの隙間を徹底的に洗い流し、最後に乾拭きして水滴を残さないようにします。

キッチンはシンクや排水口に残飯が溜まっていないか、レンジや冷蔵庫の中に汚れがないかを確認し、油汚れがある場合は専用洗剤で拭き取り。思わぬところに食べかすが挟まっていることもあるため、短時間でも入念にチェックする習慣が大切です。

2-4．リネン交換とアメニティ補充

次に新品のリネンを用意し、ベッドメイキングを行います。タオル類を適切な数だけ配置し、必要なアメニティ（シャンプー、ボディソープ、トイレットペーパー、ティッシュなど）を補充します。ここでも“足りない”“古い”“汚れている”といった不備がないように注意しましょう。

2-5．仕上げの最終確認・消臭

すべての清掃が終わったら、部屋全体を見渡して仕上げの最終確認を行います。髪の毛やホコリの取り残し、バスルームの水滴やカビ、においの有無を一つずつチェックし、問題があればすぐに補正。空気の入れ替えや消臭剤の適切な使用で、ゲストが入室したときに爽やかな印象を持てるように仕上げます。

3. 細部までこだわるための要所

実際の清掃では、つい見落としがちなポイントがあります。ここを押さえておけば、“細部まで清潔！”という印象を与えやすくなります。

3-1．ベッド下・ソファ下・テレビ裏

ゲストが荷物を置いたり、物を落としやすいのがベッド下やソファ下です。意外と髪の毛やゴミが溜まりやすく、掃除機が届きにくい場所でもあります。テレビ台やサイドボードの裏などもホコリの温床になりがちなので、覗き込んで確認するクセをつけましょう。

3-2．スイッチやドアノブなどの手垢

触れる機会が多いスイッチ、ドアノブ、リモコンなどは手垢や汗で汚れやすいです。見落とされがちですが、ここがベタついているとゲストは「しっかり掃除されていない」と感じます。仕上げの拭き掃除でサッと除菌しておくと、印象がグッと良くなります。

3-3．カーテンやブラインド、窓枠のホコリ

カーテンやブラインドは、洗濯や拭き掃除が難しい場所として軽視されがちですが、ホコリが溜まりやすくアレルギーの原因になることも。特に長期的に使用している場合は、定期的にカーテンを洗濯したり、ブラインドを拭き掃除してホコリを除去しておくと良いです。窓枠やレール部分にもゴミが溜まりやすいためチェックを忘れずに。

4. 安定した清掃品質を実現する仕組み

4-1．清掃スタッフ間の情報共有

複数のスタッフが交代で清掃する場合、物件ごとの注意点を共有することが重要です。「ここの換気扇は油汚れが付きやすい」「キッチン下のキャビネットには要注意」など、過去にゲストから指摘を受けた場所や壊れやすい設備をリスト化しておけば、どのスタッフでも同じ水準の清掃ができます。

4-2．清掃マニュアルとチェックリスト

清掃マニュアルに加え、最終的に「掃除した場所」をチェックリストで確認する仕組みを導入すると、見落としが格段に減ります。スマホアプリやクラウドで管理し、写真付き報告をオーナーに送る方法もおすすめです。オーナーや運営代行会社との間で清掃報告を共有すれば、万が一のクレーム時にも“ちゃんと掃除した”という証拠になり得ます。

4-3．定期的な大掃除とメンテナンス

短期的な清掃では取りきれない汚れ（カビや水垢の蓄積）や、カーテン・ラグ・エアコンのフィルター洗浄など、定期的な大掃除を行わないと徐々に不快感が溜まり、クレームリスクが高まります。物件ごとに数か月〜半年に一度のペースで大掃除を実施し、設備の点検や消耗品の交換を行うと、トラブルを未然に防げます。

5. 細部へのこだわりがレビューを左右する

民泊清掃では、床や水回り、リネンなど基本的なところを押さえるのはもちろん大前提ですが、わずかな毛髪やホコリ、においの発生源を見逃さない“細部へのこだわり”こそが、ゲストの満足度を大きく左右します。レビューサイトやSNSにおいて「清潔さ」は最もチェックされやすい項目の一つなので、徹底した清掃が高評価に直結し、稼働率やリピート率を上げる要因となるでしょう。

もしクレームが出た場合でも、迅速な対応とスタッフ間の情報共有によって、次から同じミスを防ぎクオリティを高めることができます。民泊運営はホテル以上に個性や柔軟さが求められますが、その分清掃においては質を保つための努力が不可欠です。今回紹介したポイントを日々の清掃業務に取り入れれば、ゲストが「また泊まりたい」と思う部屋を実現できるはずです。

Stay Buddy株式会社へのお問い合わせ

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