民泊市場の拡大にともない、ゲストのチェックアウトと次のチェックインの間に部屋を素早く綺麗に仕上げる民泊清掃の需要が、右肩上がりとなっています。そうした背景から、「民泊清掃業を自分で立ち上げてみたい」と考える方も増えているのではないでしょうか。清掃のクオリティがそのままレビュー評価につながる民泊では、質の高い清掃サービスが求められるため、まだまだ参入のチャンスがある分野です。

しかし、民泊清掃業を実際に開業するには、単に「掃除の技術だけあればいい」というわけではありません。必要な備品やスタッフの確保、オーナーや物件との契約、スケジュール管理など、ビジネスとして成り立たせるためにはいくつものステップを踏むことが大切です。本記事では、「民泊清掃業を始めるまでの手順や必要な準備」を中心に、実際に活躍するためのポイントや注意点をわかりやすく解説します。

1. なぜ民泊清掃業に需要があるのか

1-1．民泊市場拡大と清掃需要の高まり

AirbnbやBooking.comなどの予約サイトを通じて、個人宅やマンションの一室を貸し出す民泊が一気に普及しました。海外からの観光客はもちろん、国内のビジネス出張や長期滞在の需要も高まるなか、部屋が回転するペースが速いため、チェックアウトから次のゲストのチェックインまでに限られた時間で清掃するニーズが高まっています。

清掃スキルやスタッフ数が不十分だと、オーナー一人では対応しきれず、専門の清掃業者にアウトソーシングする流れが一般化してきたのです。ここに“専門業者不足”という需要が存在することで、民泊清掃業への参入余地があるといえます。

1-2．レビュー重視による「高品質清掃」ニーズ

民泊では、宿泊したゲストが評価やレビューを投稿する文化が根付いています。清掃のクオリティが低いと、「部屋に髪の毛が落ちていた」「浴室がカビだらけだった」といった不満がレビューに書かれてしまい、オーナーにとっては大きな打撃です。高品質の清掃サービスを提供できる業者はそのリスクを大きく減らしてくれるため、多少費用がかかっても依頼したいというオーナーが増えています。

2. 開業前に押さえておくべきこと

2-1．事業計画の作成

清掃業といっても、単価設定、対応できる物件の規模、そしてスタッフの雇用計画などを具体化しないまま開業すると、思ったような利益が得られなかったりキャパシティオーバーでクレーム続出といったトラブルにつながりかねません。まずは以下のような点を考慮して事業計画を立てましょう。

• 対象エリア: 自分たちの拠点から移動が苦にならない範囲で、ある程度の件数が見込める地域を選ぶ
• 物件タイプと単価: ワンルーム、2LDK以上、戸建てなどの清掃にかかる時間を算出し、どの程度の料金で利益が出るか計算する
• 繁忙期と閑散期: 観光シーズンやイベント時期には案件が集中しやすいので、そのタイミングに対応できる人員を揃えられるか検討

2-2．必要資金と資金調達

開業資金は業態にもよりますが、最低限清掃道具や車両、スタッフの給与、オフィスや倉庫の賃料などを考慮する必要があります。清掃道具は数万円から揃えられますが、スタッフを雇う場合は数か月分の人件費を確保しておかないと安定運営が難しいです。小規模で始めるなら自己資金で賄えるかもしれませんが、より本格的に展開するなら銀行融資や国の中小企業支援を利用する選択肢も検討しましょう。

2-3．法的手続き・届出

清掃業としての大きな許可は必要ないケースが多いですが、個人事業主として開業届を出すのか、法人化するのか、あるいは社会保険・労働保険の手続きなど必要な場合があります。また、物件内部で鍵を扱うことも多いため、機密保持や個人情報保護の観点で契約書をしっかり準備しておくと安心です。オーナーとの業務委託契約書を整備する際にも、基本的な法令知識があると役立ちます。

3. 開業のステップ：具体的な流れ

3-1．市場リサーチと営業活動

まずは清掃依頼をくれる可能性のある民泊オーナーや運営代行会社のニーズを調査しましょう。SNSやオンライン掲示板、地元の不動産会社の情報などから、どのエリアに物件が多いかを把握し、営業活動を行います。実際にオーナーとのやり取りを通じて、「どんな清掃内容が求められているか」「価格相場はどれくらいか」を深く理解するとよいです。

また、スタート時に自身の実績やセールスポイント（ホテル清掃の経験がある、スタッフに英語対応ができる人材がいるなど）を強調することで、競合他社との差別化が期待できます。

3-2．スタッフ確保・研修

ある程度の案件を受注できる見込みがついたら、実際に清掃を行うスタッフを確保するステップに進みます。アルバイトやパートタイム、業務委託など、雇用形態は複数の選択肢がありますが、責任感と柔軟なスケジュール対応力が必要な仕事ですので、面接や研修を丁寧に行うのがおすすめです。

研修では、清掃マニュアルやチェックリストを作成し、作業手順と品質基準をスタッフ全員に周知することで、誰が担当しても一定のクオリティを保てるようにします。

3-3．契約と料金設定

民泊オーナーとの契約には、1回の清掃ごとの単価を基本とする形が多いです。ワンルームなら1回3,000〜5,000円、2LDK以上なら5,000〜8,000円など、部屋の広さや洗濯物の量、追加作業（エアコンフィルター掃除など）に応じて料金を決めましょう。繁忙期や早朝・深夜対応の場合は割増料金を設定するなど、利益がしっかり残る形を契約書に明記することが大切です。

また、定期契約で複数の物件をまとめて請け負う場合は、月額や週払いなどの形で安定収益を目指すことも考えられます。

3-4．実務スタートとフォローアップ

契約後、いよいよ実務をスタートします。ゲストチェックアウト後にスタッフを派遣し、掃除を完了したらオーナーや運営代行会社に報告という流れが基本です。清掃後に問題が見つかれば写真やコメントで共有し、備品の補充を依頼するなど臨機応変に対応します。最初の数か月はトラブルも起きやすいため、改善サイクルを意識して常にスタッフからフィードバックを受け取り、マニュアルやスケジュールを調整しましょう。

4. 開業後の運営ポイント

4-1．品質維持とスタッフ教育

清掃品質を落とさないためには、定期的にスタッフ研修を行い、作業手順や清潔感の基準を再確認するのがおすすめです。特に、繁忙期に新規スタッフを急増させるとミスが増えるリスクがあるため、OJTやマニュアル動画などを活用し、早期に標準化を図ることが大切です。

4-2．設備やリネン管理との連携

民泊清掃はベッドメイクやタオル補充など、リネン類の管理が不可欠です。業務が拡大するにつれ、リネンサプライ業者との契約や自社での洗濯設備導入も検討する必要が出てきます。オーナーや運営代行からの要望に応じて、柔軟に対応できる体制を整えれば、より高い評価を得られるでしょう。

4-3．オーナー・代行会社との信頼関係

民泊清掃業でのリピーターは主にオーナーや代行会社です。コミュニケーションを密にし、スケジュールの変更や緊急の対応にも柔軟に応じられると、追加の物件を紹介してもらうなど事業拡大につながりやすいです。小さな要望にも真摯に対応し、透明性を保ちながら誤解なく作業を進めることが長期的な成功の秘訣です。

5. まとめ：民泊清掃業はチャンス領域

民泊市場の拡大にともない、清掃業に対する需要は今後も増え続けると予想されます。特に主要都市や観光地では、ホテルより民泊を選ぶ旅行者が増加傾向にあり、その受け皿となる物件数が増えるほど清掃サービスが必要とされるのです。

• 開業のポイント: 事業計画を立て、ターゲットエリアやサービス内容を明確に。スタッフ確保と研修で品質を統一し、オーナーとの契約面で報酬や責任範囲を明文化
• 運営のカギ: 需要の波を把握し、繁忙期に対応できるスタッフ体制と柔軟なスケジュール管理。清潔感と仕上がりのクオリティが信頼を生み、高評価とリピート依頼につながる
• 長期的展望: インバウンド回復や大型イベント、観光需要の高まりで、民泊清掃業としてはまだまだ成長余地が大きい。複数の物件を抱えることで安定的な収益が期待できる

清掃の専門知識と柔軟な対応力を兼ね備えた業者は、競合の多い市場のなかでも希少価値が高い存在となるでしょう。日々の丁寧な作業とコミュニケーションを積み重ねることで、民泊清掃業を軌道に乗せることが十分可能です。

民泊清掃に関する相談はStay Buddy株式会社まで！

もし「民泊清掃業を始めたいが、どこから着手すればよいか分からない」「複数の民泊物件との契約やスタッフ管理を効率化したい」「清掃体制やリネン管理などを包括的にサポートしてくれるパートナーが欲しい」とお考えの方は、ぜひStay Buddy株式会社へお問い合わせください。

豊富な民泊運営の実績に基づき、清掃業者の立ち上げや業務の流れづくり、オーナーとの契約などを包括的にサポートいたします。スムーズに業務を始められるよう支援し、適切なコンサルティングを提供することで、清掃品質の向上と安定収益の実現を後押しします。民泊清掃業を成功させるうえで、Stay Buddy株式会社は心強い味方になるでしょう。お気軽にお問い合わせください。