ゲストを安心させるハウスマニュアルのつくりかた

民泊運営で大切なことの一つに、ゲストが安心して滞在できる環境を整えることがあります。

民泊はホテルのようにフロントが常駐するわけではないので、宿泊施設の使い方から周辺情報にいたるまで、ホストが事前にしっかりと案内しておかないと不安を感じやすくなります。その結果、宿泊中に多くの問い合わせが寄せられたり、満足度を大きく下げる要因になってしまったりすることが少なくありません。

このようなトラブルを回避し、ゲストとの無用なやり取りを減らすためには「ハウスマニュアル」が欠かせません。とはいえ、ただ概要をまとめただけの簡易的なマニュアルでは足りない要素もあります。今回の記事では、ゲストが抱きがちな不安を解消し、なおかつホスト側の運営負担を軽減するための「応用的なハウスマニュアル作成のポイント」をご紹介します。

①すべてのドアの開け方を案内する

一口にドアといっても、引き戸、押すタイプ、取っ手をひねるタイプ、襖のようなスライド式など、さまざまな形状があります。日本人であっても一度見ただけでは開け方が分からない扉があるように、海外からのゲストにとってはさらに複雑に感じられます。

例えば、古い日本家屋にありがちな木製の引き戸は、正しくレールに沿って開閉しないとスムーズに動きませんし、ロックを解除する方法を知らないと開かないドアも存在します。こういった構造を図解や簡単な説明書き、場合によっては写真や動画で示しておくと、ゲストの混乱を防ぎ、問い合わせの頻度を大幅に減らせます。

②電子レンジやケトルなど家電の使い方を具体的に示す

日本製の家電は性能が高い一方で、表示がすべて日本語だったり、見た目が海外製のものと違っていたりして、海外ゲストには使い方が分からないことが多いです。電子レンジや炊飯器、トースター、電気ケトルなど、ゲストが日常的に使いそうな家電は特に説明を充実させましょう。

シンプルな機能だけで十分使える家電であっても、「どのボタンを押せばいいのか」「何分までしか設定できないのか」といった疑問を解消するだけでゲストは安心します。もし取扱説明書が日本語だけなら、マニュアルの要点を翻訳した簡易版を作成し、ハウスマニュアルの一部として挿入する方法もあります。

③入ってはいけない場所や触れてはいけないものを明示する

多くの民泊物件では、ゲストに使ってもらうべきスペースと、ホスト側で管理しているスペースが分かれています。例えば、清掃用具を収納している場所や、何らかの理由で封鎖している部屋、あるいは仏壇や貴重品を置いているスペースなど、ゲストに立ち入ってほしくない場所があるのではないでしょうか。

こういったエリアや物品については「ここは入らないでください」「この戸棚は使わないでください」というように、はっきり伝えておく必要があります。紙に書かれたハウスマニュアルで伝えるだけでなく、扉や引き出しに注意書きを貼っておくのも有効です。不用意に開けてしまうとトラブルになりかねません。事前に分かりやすく案内しておくのが理想です。

④作り方だけでなく「配信方法」も工夫する

ハウスマニュアルを作成しても、ゲストがしっかり読んでくれなければ意味がありません。そこで、紙ベースのマニュアルだけでなく、スマートフォンからいつでもアクセスできるオンライン版のマニュアルを用意するのも一案です。例えば、クラウド上に動画や写真付きの説明をまとめ、それをゲストにリンクで共有すると、読みやすさと理解度を大きく高めることができます。

特にトラブルが起きがちな鍵の開け方やエアコンの操作方法などは、動画で説明すると格段に分かりやすいです。ゲストから問い合わせが来たときは、そのまま動画のURLを送るだけで解決できる可能性が高まります。ホストにとっても、その都度文字で回答する手間が省けるため大きなメリットです。

⑤ゲストが生活する上での細かい情報を盛り込む

一般的なハウスマニュアルでは、チェックインやチェックアウトの方法、Wi-Fiのパスワードやゴミの出し方など、宿泊に最低限必要な情報が記載されています。しかし、ゲストの視点に立てば、より細かい生活情報が欲しい場面は多々あります。

たとえば、シャンプーやリンス、歯ブラシなどのアメニティをどの程度揃えているのか、家の近くにはどんなスーパーやコンビニがあるのか、外食したい場合は近隣におすすめのレストランがあるのかなど、さまざまな疑問が出てくるでしょう。そういった「一見当たり前のように思える情報」も、実は海外から来たゲストや日本の他地域から訪れるゲストには貴重な手掛かりとなります。

部屋の間取りやインテリア写真だけでなく、周辺地域の情報やアメニティの写真もまとめておくと、ゲストが不安に思う部分を事前に解消できるのです。

【最後に】細部にこだわることで満足度と運営効率が上がる

民泊のハウスマニュアルは「最低限のルールを伝えるための資料」ではなく、「ゲストに安心して滞在してもらうためのサポートツール」であると捉えることが大切です。

ドアの開け方や家電の使い方などの“ささやかな情報”が、予想以上にゲストの不安を解消し、快適な滞在を実現することにつながります。こうしたガイドを徹底することで、問い合わせが減り、ホストとしても運営にかかる手間や時間を大幅に節約できます。

私たち「Stay Buddy株式会社」では、民泊の運営に関する包括的なサポートを行っており、その中にはハウスマニュアルの作成やリニューアルのアドバイスも含まれます。ゲストが迷わずに安心して生活できる物件を作り上げることは、結果的に高評価のレビューを獲得し、長期的な収益を安定化させることへとつながります。

もし、ハウスマニュアルの作り方や運営効率化の方法にお悩みでしたら、ぜひ気軽にご相談ください。私たちは無料でのヒアリングや簡易的なアドバイスも行っておりますので、一緒にゲストが不安なく滞在できる環境づくりを進めていきましょう。