2025.12.30

業界動向

ホテル買収(M&A)の全手順と成功のポイントを専門家が解説

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ホテル買収(M&A)の全手順と成功のポイントを専門家が解説

インバウンド需要の回復や国内観光の活性化を背景に、ホテル業界への参入意欲が高まっています。しかし、更地からホテルを建設するには数年の期間と膨大なコストがかかります。そこで、近年富裕層や投資家の間で主流となりつつあるのが、既存のホテルを手に入れる「M&A(合併・買収)」という手法です。

先にこの記事の結論からお伝えします。

ホテルM&Aは「時間を買う」ための最強の戦略ですが、不動産としての価値だけでなく「事業としての収益性」と「法的な適法性」を厳しく見極めなければ、買収後に莫大な追加コストを負うリスクがあります。

マンション投資のような「不動産購入」の感覚で取り組むと失敗します。ホテルM&Aは、建物だけでなく、従業員、ブランド、顧客リスト、そして潜在的なリスクまで全てを引き継ぐ「事業承継」だからです。

この記事では、ホテルM&Aを検討している経営者や個人投資家に向けて、具体的な買収スキーム、交渉からクロージングまでの全手順、そして買収後に価値を高めて成功させるためのポイントを体系的に解説します。

なぜ今、新規建設ではなく「M&A」なのか?

ホテル投資においてM&Aが選ばれる理由は、主に3つのメリットがあるからです。

  1. スピード感(時間の短縮)新規建設の場合、土地探しから設計、建築、許認可取得まで2〜3年かかることも珍しくありません。M&Aであれば、契約完了の翌日からオーナーとなり、即座に売上を計上できます。
  2. 許認可と人材の引き継ぎ旅館業許可や飲食店営業許可など、取得に手間がかかるライセンスをそのまま引き継げる場合があります(スキームによります)。また、深刻な人手不足の中、経験豊富なスタッフや支配人を確保した状態でスタートできるのは大きな強みです。
  3. 過去の実績(トラックレコード)の参照新規開業は売上予測が難しいですが、既存ホテルなら過去の稼働率や客単価、財務諸表を確認できます。これにより、投資回収のシミュレーションがより高い精度で行えます。

ホテルM&Aの2つの手法:「株式譲渡」と「事業譲渡」

手順に入る前に、買収の形(スキーム)を決める必要があります。主に以下の2パターンがあり、どちらを選ぶかで手続きやリスクが大きく異なります。

1. 株式譲渡(会社ごと買う)

ホテルを運営している法人の株式を買い取り、経営権を取得する方法です。

  • メリット: 旅館業許可などの許認可、従業員の雇用契約、取引先との契約をそのまま引き継げるため、手続きが簡便です。
  • デメリット: 簿外債務(帳簿に載っていない借金)や、過去の労務トラブルなどの「見えないリスク」まで引き継ぐ可能性があります。

2. 事業譲渡(ホテル部門だけ買う)

売り手企業から、ホテル事業(建物、設備、ノウハウなど)だけを切り出して買い取る方法です。

  • メリット: 必要な資産だけを選んで買収できるため、不要な負債やリスクを遮断できます。
  • デメリット: 旅館業許可などは原則として取り直しになります。また、従業員との再雇用契約が必要です。

一般的に、スピーディーな承継を望む場合は「株式譲渡」、リスクを徹底排除したい場合や売り手企業の一部門だけを買う場合は「事業譲渡」が選ばれます。

ホテルM&Aの全手順:検討からクロージングまで

では、実際にM&Aを進めるための6つのステップを見ていきましょう。

ステップ1:戦略策定とソーシング(案件探し)

まず、どのようなホテルを買いたいかを明確にします。

  • エリア: 大阪、京都、東京などの都市部か、地方の温泉地か。
  • 規模: ビジネスホテルか、シティホテルか、小規模な旅館か。
  • 予算: 数億円規模か、数十億円規模か。

その上で、M&A仲介会社や銀行、あるいは不動産会社を通じて案件情報を収集(ソーシング)します。良い案件は表に出ない(ノンネーム案件)ことが多いため、独自のルートを持つ専門家への相談が鍵となります。

ステップ2:秘密保持契約(NDA)と情報の開示

興味のある案件が見つかったら、売り手側と「秘密保持契約(NDA)」を締結します。M&A情報は従業員や取引先に知られると混乱を招くため、情報の取り扱いは厳重に行われます。

NDA締結後、「インフォメーション・メモランダム(IM)」と呼ばれる詳細資料が開示されます。ここで財務状況や物件概要を確認し、検討を進めるか判断します。

ステップ3:トップ面談と意向表明書(LOI)の提出

買収の意思が固まったら、売り手の経営者と直接会う「トップ面談」を行います。数字だけでは見えない経営理念や、売却の理由、従業員への想いなどを確認し、信頼関係を構築します。

条件が折り合えば、「意向表明書(LOI)」を提出します。ここには、買収希望価格、スケジュール、基本的な条件などを記載します。

ステップ4:デューデリジェンス(買収監査)

ここがM&Aの成否を分ける最重要フェーズです。

基本合意契約(MOU)を結んだ後、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士などの専門家チームを入れ、売り手企業の徹底的な調査(デューデリジェンス:DD)を行います。

  • 財務DD: 帳簿は正しいか、粉飾はないか、簿外債務はないか。
  • 法務DD: 契約関係に不備はないか、訴訟リスクはないか。
  • ビジネスDD: 市場競争力はあるか、競合との差別化要因は何か。
  • 有形資産DD: 建物の老朽化具合、修繕履歴。

特にホテルM&Aでは、「建築基準法・消防法・旅館業法」の遵守状況が最大のチェックポイントです。違法建築や消防設備の不備が見つかれば、買収後に数千万円の是正工事が必要になることもあります。

ステップ5:最終譲渡契約(DA)の締結

デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な買収価格や条件を確定させます。もし重大なリスクが見つかった場合は、価格の減額交渉や、契約の見送り(ブレイク)を行います。

双方が合意すれば、「最終譲渡契約書(DA)」に調印します。

ステップ6:クロージング(決済・引き渡し)

株式や事業の譲渡代金を支払い、経営権を移転させます。

これで晴れてホテルのオーナーとなりますが、本当の戦いはここからです。これを**PMI(統合プロセス)**と呼びます。

専門家が教える「失敗しないためのチェックポイント」

ホテルM&Aには特有の落とし穴があります。失敗を避けるために、特に注意すべき点を3つ挙げます。

1. 「検査済証」の有無と遵法性

古いホテルや旅館の場合、増改築を繰り返しており、建築当時の「検査済証」がない、あるいは現状が図面と異なる(違法増築)ケースが多々あります。

検査済証がないと、大規模なリノベーションや用途変更ができず、将来の出口戦略(売却)にも悪影響を及ぼします。デューデリジェンスの段階で、建築士を入れて徹底的に調査する必要があります。

2. 「従業員」と「オペレーション」の質

ホテルは「人」が作るサービスです。M&Aの発表直後に、優秀な支配人や料理長が辞めてしまっては、資産価値は半減します。

また、現行のオペレーションが非効率でないか(過剰な人員配置や、アナログな予約管理など)をチェックし、買収後にDX(デジタルトランスフォーメーション)で改善できる余地があるかを見極めることも重要です。

3. 「簿外債務」と「未払い残業代」

株式譲渡の場合、過去の未払い残業代などの労務リスクも引き継ぎます。ホテル業界は長時間労働になりがちで、勤怠管理がずさんなケースも少なくありません。

買収後に従業員から訴えられないよう、人事労務の監査は厳格に行うべきです。

買収後に価値を最大化する「バリューアップ戦略」

ホテルを買収すること自体はゴールではありません。M&Aの目的は、そのホテルを再生・成長させ、利益を生み出すことです。

リブランディングとターゲットの再設定

古い旅館やビジネスホテルを買収した場合、そのまま運営してもジリ貧です。

エリアの需給バランスを再分析し、ターゲットを明確にします。例えば、「団体客向けの古い旅館」を「インバウンド富裕層向けのラグジュアリーホテル」に改装するなど、コンセプトを刷新することで客単価(ADR)を大幅に引き上げることができます。

DXによるコスト削減と収益向上

老舗ホテルほど、アナログな管理が残っています。

  • サイトコントローラーによる複数OTA(予約サイト)の一元管理
  • ダイナミックプライシング(変動料金制)の導入
  • セルフチェックイン機やスマートロックの導入これらを導入することで、人件費を削減しつつ、売上の取りこぼしを防ぎ、利益率(GOP)を改善します。

「運営(オペレーター)」の入れ替え

これが最も即効性のある施策です。

建物は良くても、運営チームの能力不足で集客できていないホテルは山ほどあります。

買収と同時に、実績のある運営代行会社(オペレーター)に切り替えることで、集客戦略、清掃品質、レビュー管理が一新され、数ヶ月で稼働率がV字回復するケースも珍しくありません。

まとめ:ホテルM&Aは「運営力」で決まる

ホテルM&Aは、不動産投資と事業投資のハイブリッドです。

立地や建物といったハード面の見極めも重要ですが、最終的に投資回収できるかどうかは、**「買収後にどれだけ魅力的なホテル運営ができるか」というソフト面(経営力)**にかかっています。

デューデリジェンスでリスクを洗い出し、適正価格で買収し、PMIで運営を最適化する。

この一連の流れを成功させるためには、M&Aの知識だけでなく、ホテルの現場を知り尽くしたパートナーの存在が不可欠です。

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