閑散期でも予約が埋まる！ホテルの年間稼働率を底上げするイベント・企画事例

ホテルや民泊の運営において、避けて通れないのが「閑散期」の存在です。

GWや夏休み、年末年始には何もしなくても予約が入る一方で、梅雨の6月や、正月明けの1月〜2月などは、パタリと客足が止まってしまう。この激しい需要の波に悩み、「オフシーズンだから仕方がない」と諦めて値下げに走っていませんか？

先にこの記事の結論からお伝えします。

閑散期を埋めるための最適解は、安易な値下げではありません。「泊まる理由（目的）」をこちらから創り出し、潜在的な需要を掘り起こす「イベント・企画」の力で、需要の波を平準化することです。

この記事では、季節や天候に左右されず、年間を通じて安定した稼働率を維持するために、実際に効果を上げているイベントや企画の具体的な事例を、季節別・ターゲット別にご紹介します。

そもそも「閑散期」はなぜ生まれる？「待ち」から「攻め」への転換

一般的に、旅行需要が落ち込む時期は、「旅行に行く明確なきっかけがない時期」と言い換えられます。気候が良くない、連休がない、ボーナス前で財布の紐が固い、など理由は様々です。

しかし、逆に言えば**「わざわざ行きたくなる理由」さえあれば、人は動きます。**

単に「部屋を売る」のではなく、「そこでの過ごし方（体験）」や「特定の目的を達成する場」を売るという発想の転換が必要です。この「攻め」の企画力こそが、競合他社との決定的な差を生み出します。

【季節別】「行く理由」を創出するイベント・企画アイデア

気候やカレンダーを逆手に取った、季節ごとの企画事例です。

梅雨（6月）：外に出ないことを楽しむ「お籠もりステイ」

雨が多く、観光には不向きな6月は、典型的な閑散期です。しかし、「最初から外に出ない」ことを前提としたプランは、天候リスクをゼロにします。

企画例1：ボードゲーム・シアタールームプラン

豊富なボードゲームや、大画面プロジェクター、VOD（動画配信サービス）見放題をセットにしたプランです。「雨の日は、ホテルで映画三昧」という過ごし方を提案します。ポップコーンやスナックの詰め合わせを特典に付けると、さらに満足度が上がります。

企画例2：高級出前・ケータリング連携プラン

外食に出るのが億劫な雨の日こそ、客室でゆっくり食事を楽しみたいものです。近隣の有名レストランと提携し、ホテル限定の特製弁当やケータリングを部屋まで届けるプランは、カップルや女子会に非常に人気があります。

冬のオフピーク（1月・2月）：ターゲットを絞った「目的型」滞在

正月休みが明け、春休みまでの期間は動きが鈍ります。ここでは、観光以外の明確な目的を持った層を狙います。

企画例3：受験生応援「サクラサク」プラン

受験シーズンに合わせた、受験生とその家族向けのプランです。

• 電気スタンド、加湿器、空気清浄機の完備
• 夜食や合格祈願のお菓子の提供
• モーニングコールやタクシー手配の確約これらにより、「勉強に集中できる静かな環境」と「安心感」を提供します。試験会場に近いホテルであれば、強力な集客フックとなります。

企画例4：こたつで鍋パーティプラン

特に民泊や一棟貸しで有効なのが、「こたつ」と「鍋」のセットです。冬の寒さを逆手に取り、日本人なら誰もが抗えない「こたつでぬくぬく」という体験価値を提供します。土鍋やカセットコンロを貸し出し、近隣のスーパーの場所を案内するだけで、立派なイベントになります。

【ターゲット別】ニッチな需要を掘り起こす企画事例

季節に関わらず、特定の趣味や属性を持つ層（トライブ）に刺さる企画は、熱狂的なファンを生み出します。

ターゲット1：推し活層（アイドル・アニメファン）

今、最も消費意欲が旺盛なのが「推し活」市場です。

企画例5：本人不在の誕生日会プラン

ホテルの客室を、推しのグッズで埋め尽くして誕生日を祝う「祭壇作り」のためのプランです。

• 推しのカラー（メンカラ）に合わせたバルーンや装飾の貸し出し
• ペンライトやグッズを並べるための撮影用ライトの設置
• ケーキの持ち込み可（または冷蔵庫の確保）「推し活するならここ」という認知が広がれば、SNSでの拡散力は絶大です。

ターゲット2：おひとりさま・ワーカー

「誰かと行く」のではなく、「一人で過ごす」ための需要も増加しています。

企画例6：デジタルデトックス・執筆パック

作家やクリエイター、あるいは仕事に追われるビジネスマン向けに、「缶詰」になるための環境を提供します。

• チェックインからチェックアウトまで、スマホをフロントで預かるオプション
• 疲れにくいワークチェアと広いデスク
• コーヒー飲み放題「進捗が生まれる宿」としてブランディングできれば、平日の稼働率を底上げできます。

企画例7：リトリート・ソロ活プラン

ヨガマットの貸し出しや、アロマディフューザーの設置、近隣の銭湯チケットなどをセットにし、「心身を整えるための一人旅」を提案します。女性の一人客に特に響く企画です。

地域と連携し、街全体のイベントを自社のコンテンツにする

自社だけでイベントを企画するのが難しい場合は、地域のリソースを最大限に活用しましょう。

企画例8：地域イベント連動プラン

地元の花火大会、祭り、マラソン大会、コンサート。これらは宿泊需要の起爆剤です。

単に予約を受け付けるだけでなく、「イベント会場までの送迎付き」「お祭り用の浴衣レンタル付き」「マラソンランナー向けの朝食バナナ・プロテイン付き」など、参加者のニーズに先回りした特典を付けることで、数ある宿泊施設の中から選ばれる理由を作ります。

企画例9：近隣農家との収穫体験プラン

地方の民泊であれば、近隣の農家と提携し、春のイチゴ狩り、夏の夏野菜収穫、秋の芋掘りなどをセットにしたプランを作成します。「体験」は最強のコンテンツであり、特にファミリー層の集客に直結します。

企画を成功させるための「発信」の鉄則

素晴らしい企画を作っても、知られなければ意味がありません。

OTAのプラン名と写真を工夫する

「冬の特別プラン」という名前ではクリックされません。「【こたつで鍋パ】買い出しOK！仲間と囲むあったか冬のお籠もりステイ」のように、「体験の情景」が浮かぶタイトルにしましょう。写真も、鍋やこたつの写真をトップに持ってくるなど、季節感に合わせて入れ替えることが重要です。

SNSで「過ごし方」を提案する

Instagramなどで、「当館なら雨の日でもこんなに楽しめます」という動画や写真を投稿し、ネガティブな要素（雨、寒さ）をポジティブな体験へと変換して伝えることが大切です。

まとめ：企画力とは「お客様への提案力」である

稼働率を上げるためのイベントや企画は、決してお金をかけた派手なものである必要はありません。

重要なのは、お客様がその季節、そのタイミングで「何を求めているか」「何に困っているか」を想像し、それに対する**「解決策」や「楽しみ方」を提案すること**です。

「部屋」というハードウェアに、「企画」というソフトウェアを掛け合わせることで、あなたのホテルは単なる寝床から、わざわざ訪れるべき「目的地」へと変わります。

閑散期こそ、知恵と工夫の見せ所です。まずは一つ、明日からできる小さな企画から始めてみませんか？

その「企画・戦略」、私たちプロが伴走します

「アイデアは分かったけれど、日々の運営に追われて企画を練る時間がない…」

「OTAのプラン作成や写真の入れ替え、SNS発信まで手が回らない」

「自分のホテルのターゲットに合った、最適な企画を提案してほしい」

そのお悩み、ぜひ私たちにご相談ください。

私たちStay Buddy株式会社は、ホテル・民泊の運営代行とコンサルティングのプロフェッショナルとして、数多くの施設の稼働率改善を実現してきました。

私たちは、

• ①季節ごとのトレンドや地域のイベント情報を網羅し、あなたのホテルに最適な集客プランを企画・立案します。
• ②OTAサイトでの魅力的なプラン作成、SEO対策、写真の最適化まで、集客の実務をワンストップで代行します。
• ③AIを活用したダイナミックプライシングと組み合わせ、企画で集めた需要を、最大の収益へと繋げます。

あなたは、企画の承認と、お客様を迎える準備に集中してください。

閑散期を繁忙期に変えるための、戦略的な集客と運営を、私たちが全力でサポートします。まずは無料の現状診断から、お気軽にお問い合わせください。せください。