2024.11.13

基礎知識

民泊の始め方|その手順や成功するためのポイント、失敗しないための注意点を解説

著者

StayBuddy株式会社

大阪・東京・沖縄の民泊運営代行会社。
ブランディング・マーケティングの視点から集客を成功させるのが得意。

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コロナ禍が終わり、訪日外国人旅行者が増加している影響で、民泊への注目度は高まる一方です。民泊とは、「民家に宿泊する」形式で、自宅や所有する不動産を宿泊施設として貸し出すことです。もともとは「民泊=無料」という印象がありましたが、需要が高まったことで現在では宿泊料を取る形が一般的となり、立派なビジネスモデルとして確立されています。

とはいえ、いざ民泊を始めようと思った際にどのような手続きが必要か分からない方も少なくありません。宿泊料を取る場合は正式な手続きを踏まなければならないため、事前に理解しておくことが重要です。

そこで今回の記事では、民泊を始めるために必要な準備や、運営で失敗しないための注意点を、民泊運営代行会社として具体例を交えて解説します。民泊を始めるにあたっての不安を解消し、スムーズなスタートが切れるよう、ぜひ最後までご一読ください。

民泊を始める前に知っておきたい3つの法律

民泊には3つの主要な運営形態があり、それぞれ異なる特徴や規制があります。始め方や運営条件も異なるため、まずはそれぞれの違いを理解しておきましょう。

1. 365日営業が可能な旅館業法民泊

旅館業法民泊は、簡易宿所の営業として認可されるため、年間の営業日数に制限がないのが特徴です。365日営業が可能で、収益を最大化しやすい一方、自治体の許可が必要で、運営できる地域も限定されています。さらに、建築基準などの条件も満たさなければならないため、運営開始までのハードルは少々高めです。

2. 国家戦略特区における特区民泊

特区民泊は、2014年の「国家戦略特区法」に基づき、特定地域で許可を得て旅館業法の規制を一部緩和した運営形態です。都道府県知事の認定を受ければ、住居専用地域でも営業可能で、日数制限なく運営できます。ただし、最低宿泊日数が2泊3日以上である点には注意が必要です。特区民泊の対象地域には、東京都大田区、千葉市、新潟市、大阪市、北九州市などが含まれ、利用には、該当する自治体での申請が必要になります。

3. 年間180日の制限がある民泊新法(住宅宿泊事業法)

民泊新法(住宅宿泊事業法)では、届出のみで始められるため、比較的ハードルが低く、手軽に始められる民泊形態です。2018年に施行されたこの法律では、住宅として利用している家屋でのみ運営が許可され、営業日数は年間180日未満と制限されています。収益を最大化しにくいため、副業や空き部屋の活用に適しているでしょう。

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申請方法は運営形態によって異なる

民泊を始めるには、運営形態ごとに異なる申請手続きが必要です。申請を怠ると違法営業と見なされ、罰則を受ける可能性もあるため、正しい手続きを理解し、準備を整えておきましょう。

旅館業法民泊の申請

旅館業法民泊を始める場合、保健所への申請が必要です。申請には、建築指導課や開発審査課での用途確認を済ませ、以下の書類を準備する必要があります。

  • 登記事項証明書
  • 見取り図、平面図、仕様図
  • 土地・建物登記簿謄本 など

申請要件を満たさないと許可が下りないため、事前の確認と書類準備が重要です。

特区民泊の申請

特区民泊は、保健所への申請が不要で、各自治体で認定申請を行います。申請には、観光庁のポータルサイトで該当地域の窓口を確認して、以下の書類を揃えましょう。

  • 個人は住民票の写し、法人は定款または登記事項証明書
  • 民泊の運営計画書 など

民泊新法の届出

新法民泊の場合、ポータルサイトまたは保健所に届出が可能です。必要書類は以下の通りです。

  • 届出書
  • 図面、転貸承諾書、誓約書 など

ポータルサイトで担当部署も確認できるため、早めに書類を準備し、漏れのないように届出を行いましょう。

民泊を始めるまでの8のステップ

ここでは、住宅宿泊事業法に基づいた民泊の始め方をわかりやすく9つのステップで解説します。

  • 物件選び
  • 設備要件の確認
  • 物件のリノベーション
  • 家具の購入設置
  • 消防法令の対応
  • 行政への届出
  • 民泊制度運営システムへの登録
  • 近隣住民への説明・資料配布
  • アメニティ類の準備
  • OTAへの掲載

なお、旅館業法に基づく民泊の場合は、専門知識や図面作成が必要であり、行政書士への依頼が一般的です。アメニティの準備やOTAへの掲載手順は、住宅宿泊事業法と旅館業法、そして特区民泊いずれも共通しています。

1. 物件選びと設備要件の確認

最初に、住宅としての居住要件を満たした物件を選ぶ必要があります。具体的には以下のいずれかに該当することを確認しましょう。

  • 現在人が生活の本拠として使用している家屋
  • 入居者の募集が行われている家屋
  • 所有者や賃借人が随時居住の用に供される家屋

物件の状態が「居住可能」かつ登記上の用途が「居宅」であることが大事です。さらに、以下の4つの設備が必須であり、揃っていないと住宅として認められません(浴室はシャワーのみでも可)。

  • 台所
  • 浴室
  • 便所
  • 洗面設備

2. 物件のリノベーション

民泊に利用する物件は、必要に応じてリノベーションを行いましょう。特に水回りは清潔さが求められるため、ゲストからの評価を高めるためにも改善が推奨されます。DIYや業者依頼を検討し、安全性や工期も考慮して進めます。また、補助金の活用も可能です。自治体によっては、リノベーション後に固定資産税が上がることもあるため、計画段階で確認しておくと良いでしょう。

3. 消防法令の対応

民泊の届出には「消防法令適合通知書」が必要です。消防法に従って設備を整えたうえで、物件エリアの管轄消防署からの確認を受け、適合通知書を発行してもらいます。確認内容には、次のような消防設備が含まれます。

  • 火災警報器
  • 消火器
  • 防火備品
  • 誘導灯

営業スタイルや物件の規模に応じて必要な設備が異なる場合があるため、消防署で確認をしておきましょう。民泊を成功させるためには、これらのステップに沿った準備と手続きが重要です。

4.行政への届出

物件所在地の都道府県へ届出書類を提出します。担当課は自治体によって異なりますが、多くは生活衛生課や保健福祉課が担当です。民泊新法の適用により手続きも新しくなっているため、担当者と相談しつつ進めていくとスムーズです。添付書類の詳細は、国土交通省の民泊制度ポータルサイトで確認できるため、初めての方でも安心して準備を進められます。

5.近隣住民への説明会や資料配布

民泊運営の開始にあたっては、近隣住民への理解を得るための説明や資料配布が重要です。宿泊施設の運営が近隣に及ぼす影響やルールを明示し、騒音やゴミ出しなどのトラブルを未然に防ぎましょう。事前に周辺住民への説明会を行ったり、資料を配布したりすることで、地域の理解と協力を得る基盤が整います。

6.民泊制度運営システムへの登録

届出が受理された後は、観光庁が提供する「民泊制度運営システム」に登録します。このシステムでは、2ヶ月に一度必要な事業報告がオンラインで完結します。郵送での報告も可能ですが、システムを利用するとリマインダーや日数管理なども行いやすく、運営の効率化が図れます。定期報告をスムーズに行うため、登録をおすすめします。

7.OTAへの掲載

OTA(オンライントラベルエージェント)は、旅行者が宿泊予約を行うためのオンラインプラットフォームです。宿情報を公開することで、予約や支払いの管理も可能になり、本人確認と支払い設定も行えるため、安心して利用できます。有名なOTAには、AirbnbやBooking.comなどがあり、特にAirbnbは利用者の多いプラットフォームです。また、Vacation STAYを通じて他の旅行サイトにも転載される機能もあります。

複数のOTAに掲載すると予約機会が増えますが、重複予約を避けるための「サイトコントローラー」登録に別途費用が発生することがあります。どのOTAを利用する場合も、魅力的な写真は予約数に大きく影響します。Airbnbのようなレビュー重視のOTAでは、ホストとゲストが相互評価を行うため、ゲストのマナー意識が高い傾向があります。宿泊前に過去のレビューも確認できるため、不安がある場合はホストの裁量で宿泊を断ることも可能です。

8.アメニティ類の準備

アメニティの準備には法的な要件はありませんが、タオルや最低限の洗面用品を用意するとゲストの満足度が上がります。施設のコンセプトに合わせて、ホテルのような豪華なアメニティを用意するか、ゲストハウスのように必要最小限のものに留めるかを選びましょう。

2022年から施行された「プラスチック資源循環促進法」により、以下のアメニティは提供削減が推奨されています。

  • ヘアブラシ
  • くし
  • かみそり
  • シャワーキャップ
  • 歯ブラシ

シーツや枕カバーの取り替えが必要な場合、リネンサプライの利用を検討すると、納品と回収をまとめて任せられ、手間を省けます。

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民泊で成功するために押さえておきたいポイント

民泊を始めること自体はハードルが高いものですが、真の課題は「運営を継続し、収益を上げていく」点にあります。営業許可が下りた段階は、あくまでスタートライン。ここから利益を上げるためには、集客に向けた工夫や、快適な滞在を提供するための準備が必要です。ビジネスに限らず、円滑に運営するためには、リスク対策も欠かせません。民泊運営でよくあるトラブルへの対応法や成功のためのコツを押さえておきましょう。

1. ゲストが快適に過ごせるようリノベーションを工夫する

ゲストに快適な滞在を提供するため、物件のリノベーションは不可欠です。特に水回りの清潔さや使いやすさはゲスト満足度を左右します。たとえば、トイレは洋式が好まれ、和式トイレだとマイナス印象になりがちです。お風呂とトイレを別にして利便性を高めたり、快適さを重視した洋式に変更したりすることで、リピート利用の可能性も高まります。ただの寝泊まり施設ではなく、「居心地の良い滞在先」として満足してもらえる設備を考慮しましょう。

2. ハウスマニュアルでトラブルを防止

民泊施設の利用ガイドとなる「ハウスマニュアル」は、トラブルの予防に役立つ重要なアイテムです。日本での宿泊に慣れていない外国人ゲストにとっても、文化の違いから生じる誤解やトラブルを未然に防ぐことができます。施設の利用方法や、宿泊時のルール、周辺の案内などを詳しく記載し、わかりやすく説明しておきましょう。また、ウェルカムガイドとして、周辺の観光地や交通アクセスの詳細を添えることで、ゲストにより快適な滞在を提供できます。

3. インテリアとアメニティにこだわる

インテリアやアメニティの質も、宿泊者の満足度を左右します。インテリアは民泊の魅力を伝える写真にも直結するため、コンセプトを持たせたデザインで印象的に仕上げると効果的です。アメニティも、ゲストにとって必要不可欠なものを取り揃えるとともに、ささやかな特典を提供することで、リピート率やレビュー向上が期待できます。ただし、過剰に豪華にし過ぎるとコストがかさむため、費用対効果を考慮しながら充実させましょう。

4. OTAサイトで効果的にPRする

民泊の稼働率を上げるためには、OTA(オンライントラベルエージェント)でのPRが欠かせません。民泊サイトでは、タイトルと写真が重要です。施設の特長や周辺の観光スポットを簡潔にまとめ、目を引くタイトルをつけましょう。「○○駅から徒歩5分!快適な○○のある宿」など、ゲストにとって魅力的なポイントがすぐに伝わるタイトルが理想的です。また、写真はインテリアの良さや清潔感が伝わるものを用意し、施設の魅力を最大限にアピールします。

民泊を始める際の注意点

民泊を始めるにあたって、事前に確認しておきたい6つの注意点を解説します。これらを把握し、スムーズな運営を目指しましょう。

  • 苦情への対応
  • 外国人観光客への対応
  • 宿泊者名簿と定期報告
  • 180日ルール
  • マンションの場合の管理規約確認
  • 民泊以外での収益活動の制限

1.苦情対応の必要性

家主滞在型で住宅宿泊管理業者を利用していない場合、近隣から騒音やゴミ問題などの苦情が寄せられた際には、管理者が直接対応する責任があります。日頃から地域とのコミュニケーションを大切にし、トラブル予防に努めましょう。また、家主不在型でも、ご近所への声掛けやマナー遵守が大切です。違法民泊が問題視された背景からも、近隣との良好な関係構築が大切です。

2.外国人観光客への対応

民泊には日本人だけでなく、外国人観光客も多く利用します。ゲストが安心して滞在できるよう、設備の使い方や災害時の連絡方法、火災防止のポイント、交通手段についての案内を外国語で用意することが必要です。また、OTAサイトに外国語の宿泊情報を掲載することで、外国人の目にも留まりやすくなります。宿の名称を外国語にするのも、外国人観光客の興味を引く方法です。

3.宿泊者名簿と定期報告

宿泊者名簿は、利用者の名前、住所、職業、宿泊日、国籍を記載し、日本に住所がない外国人ゲストの場合にはパスポート番号も必要です。この名簿は3年間保管が義務づけられています。さらに、民泊事業者は2ヶ月ごとに利用状況の定期報告を都道府県に行う義務もあるため、こうした事務作業が発生することも事前に理解しておきましょう。

4.180日ルール

住宅宿泊事業法に基づく民泊の場合、年間の営業日数は180日までと制限されています。営業日数の管理は柔軟に行うことが可能で、必要に応じてオープン日を設定できます。180日という制限内で最適な事業規模を考えるため、物件数、部屋数、最大宿泊人数、料金などを計画することが大切です。民泊制度運営システムを活用すると日数管理が簡単になります。

5.マンションの場合は管理規約を確認

マンションの一室で民泊を運営する場合、管理規約によっては営業が許可されないケースもあります。届出には「規約の写し」が求められ、民泊新法成立後(2017年以降)の議事録などを添付する必要があることもあります。事前に規約や理事会の方針を確認し、必要な書類を準備しておきましょう。

6.民泊以外での収益活動制限

民泊施設では、宿泊以外の収益活動が基本的に禁止されています。例えば、筆者が過去に運営していた古民家民泊では、映画やドラマ撮影のロケ地提供を考えていましたが、収益を伴う使用は許可されていません。ただし、1ヶ月以上の長期契約であれば、マンスリーマンションとして企業の出張者向けに貸し出すことは国土交通省でも認められています。

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