民泊運営をしていると、ゲストからの細かなリクエストや「あと少し気が利いていればもっと評価が高かったのに」と感じるシーンに出くわすことがあります。その中でも、特に多いのが「チェックアウト後、荷物をどうしよう？」という悩みです。

旅行最終日、飛行機が夜便なのにチェックアウトは午前10時。大きなスーツケースを抱えたまま観光するわけにもいかず、コインロッカーは空いていない、駅まで戻るのも面倒…。そんな不便さが、旅行の最後に疲れと不満を生んでしまうのです。

そこで注目したいのが、「チェックアウト後の荷物預かりサービス」。とくに、チェックアウト当日に次のゲストのチェックインがない日であれば、スペースを有効活用して、ゲスト満足度を大きく引き上げるチャンスになります。

今回は、民泊運営においてこの「荷物預かり」というひと工夫がなぜ有効なのか、どんな方法で実現できるのか、注意点や工夫のポイントをわかりやすく解説していきます。

チェックアウト後、ゲストは「時間と荷物」に困っている

民泊ゲストの多くは、短期旅行中の外国人観光客や国内のレジャー・ビジネス利用者です。特に外国人ゲストの場合、「チェックアウトから帰国便までの長い空き時間」が旅程上の“穴”になりがちです。

多くの民泊施設では午前10時〜11時にチェックアウト時間を設定しており、フライトや新幹線が夕方以降であれば、数時間〜半日以上、身動きが取りづらい状況になります。しかも、持ち歩くのはスーツケースやお土産の紙袋など、かなりの大荷物。

こうした状況に置かれたゲストにとって、「荷物を置いて観光できる」ことは、非常にありがたく、旅の満足度に直結します。逆に、最後にストレスを感じると、宿泊そのものの印象が下がってしまう可能性もあるのです。

民泊で荷物預かりサービスを導入する3つのメリット

1. ゲストの満足度・レビューが向上する

荷物を預けられるというだけで、ゲストの行動の自由度は一気に上がります。たった1日の中でも、「気持ちよく帰国できた」「最後の観光が楽しめた」というポジティブな体験は、滞在全体の満足度を押し上げる要因になります。

その結果、レビューで「親切なホスト」「とても助かった」といった好意的なコメントが書かれやすくなり、次の予約にも好影響を与えてくれるでしょう。

2. 空き日を有効活用できる

チェックアウト当日に次のチェックインがなければ、その日は事実上「部屋を空けているだけ」の状態になります。そこで、スペースを活かして荷物預かりサービスを提供することで、空き日も“ゲスト体験価値を上げる資源”として活用できるのです。

もちろん、鍵の管理や滞在スペースの区切りは必要になりますが、運用次第ではノーコストでできることもあります。

3. 競合との差別化ができる

民泊は、同エリア内に多数の競合施設が存在するのが当たり前です。その中で、ほんの少し気が利いたサービスを用意しておくことが“選ばれる理由”になります。

「チェックアウト後の荷物預かりが可能」と書かれていれば、それだけでゲストからの安心感は段違いです。価格が少し高くても選ばれる要因になり得ます。

荷物預かりサービスの導入方法と工夫

セルフ預け入れ型の仕組みを整える（低コスト）

チェックアウト後にゲストが自分で荷物を保管スペースに置き、ホストが立ち会わずに運用できるようにすると、手間をかけずにサービスを提供することができます。

• 玄関近くやクローゼット、ユーティリティスペースなどを「荷物保管スペース」として指定する
• 扉付きの収納に「鍵付き南京錠」などを設置して、安全性を担保する
• 宿泊者専用のラゲッジタグを作ってもらい、誰の荷物か識別できるようにする
• 「荷物預かりは〇時まで」といった時間制限を設け、清掃との兼ね合いをとる

ゲストが再訪問して荷物を取りに来る場合は、キーボックスなどを使って一時的に玄関を開けられるようにする工夫も役立ちます。

荷物預かりサービスの可否はOTAページに明記する

AirbnbやBooking.comのプロフィール・施設説明文に、荷物預かりの可否を記載しておきましょう。記載例としては以下のような形が考えられます。

「チェックアウト後のお荷物預かりについて：当日中に次の予約がない場合に限り、荷物の一時保管を承っております。事前にご相談ください。」

この一文があるだけで、**「予約前に安心して確認できる」ことがゲストにとって大きな魅力になります。**また、問い合わせ件数の削減にもつながります。

清掃スケジュールとのバランスをとる

荷物預かりは、清掃とのバッティングが起きないように調整が必要です。清掃スタッフに事前に伝えたり、荷物スペースには触れないように依頼したり、スタッフ間でも共有できる運用ルールを設けましょう。

特に、午後に荷物を引き取りに来るゲストがいる場合、「清掃完了後は立ち入り不可」「荷物のピックアップは玄関付近で対応」など、細かい運用ルールを設けることがトラブル防止につながります。

事前申請制にすることでリスクを減らす

誰でも自由に使えると、保管トラブルや取り忘れ、破損・紛失のリスクが高まります。チェックイン時または事前のメッセージのやり取りで「荷物預かり希望」を申請してもらう運用にしておくと、スムーズかつ安全に対応しやすくなります。

可能であれば、簡単な「同意事項」をテンプレートで用意しておき、万が一の紛失・破損に対する免責確認も取っておくと安心です。

ゲストからのよくある質問に備えておこう

荷物預かりを導入するなら、よくある質問にも先回りして答えられるようにしておくと、やり取りの手間を省けます。

• Q：チェックアウト後、何時まで預かってもらえますか？
  → A：最大で〇〇時までとなります。時間を過ぎる場合は、近隣のコインロッカーをご案内します。
• Q：荷物はどこに置きますか？
  → A：指定の収納スペースまたは玄関前の荷物置き場にお願いいたします。
• Q：途中で忘れ物を取りに戻ることはできますか？
  → A：基本的に一時預かりのみで、途中の入室はご遠慮いただいております。

これらをテンプレート化して、事前メッセージにコピー＆ペーストで送れるように準備しておくと便利です。

まとめ

チェックアウト後の荷物預かりサービスは、設備投資が少なく、かつゲスト満足度を大きく向上させる非常に効果的な施策です。

特に次の予約が入っていない日は、「部屋を使わずにゲスト満足を上げる」絶好のチャンスになります。ちょっとした工夫とルール設定さえすれば、運営コストをかけずに提供可能ですし、他施設との差別化・高評価レビューの獲得にも直結するのです。

民泊運営における“あと一歩のホスピタリティ”として、ぜひ今日から実践してみてください。

民泊の荷物預かりに関してもStay Buddyまでご相談ください

「荷物預かりを導入したいけど運用が不安」「清掃スタッフとの連携がうまくできない」「トラブル時の対応マニュアルがほしい」──そんなお悩みをお持ちの民泊オーナーの方は、ぜひStay Buddy株式会社にご相談ください。実際の物件運用に即した荷物預かりサービスの設計から、運用ルールの整備、ゲスト対応マニュアルの提供まで、現場目線で丁寧にサポートいたします。

小さな気配りが、大きなレビューに変わります。お気軽にご相談ください。