特定のプラットフォームに専念すれば、アルゴリズム上の露出強化やリピーター獲得などの面でメリットがあります。しかし、万が一低評価レビューが入ったり、アカウントトラブルで掲載停止になったりした場合、いきなり売り上げがゼロになってしまうリスクがあります。

そこで本記事では、「民泊のOTAはAirbnbとBooking.comの二刀流がベター」**というテーマで、それぞれのメリット・デメリットや、二刀流運用で得られる安定性と注意点などを解説します。OTA戦略に悩んでいるオーナー様はぜひご覧ください。

1. AirbnbとBooking.com、それぞれの特徴

1-1．Airbnb：ホストとゲストの距離が近い

Airbnbは、世界的に見ても「ホストとのコミュニケーションを重視するプラットフォーム」として知られ、民泊という宿泊形態を一躍有名にした存在です。個人が部屋を貸すスタイルが主流だったこともあり、ゲストとのやりとりが密に行われやすく、独特のコミュニティ感があります。

また、**「体験」**重視のゲストが多いため、ユニークな内装や地元文化を味わえる物件には人気が集まりやすいです。一方、チェックインの手続きやレビュー文化はやや細かく、ゲスト・ホスト双方の対応力が評価を大きく左右する面があります。

1-2．Booking.com：ホテルライクなシステムと欧米ユーザー

Booking.comは、欧州を中心に世界各地のホテル予約サイトとして発展してきたため、ホテル並みの予約システムが特徴です。民泊分野に参入してからは、物件オーナーにも使いやすいよう機能拡充してきましたが、基本的にはホテル感覚で宿を探すゲストが多いです。

さらに、Airbnbよりもビジネス・カジュアル旅行者が多めという傾向があり、予約の決済やキャンセルポリシーなどが仕組み化されているので、オーナーにとって管理しやすい部分もあるでしょう。一方、Booking.comの手数料やユーザーサポート体系はホテル向けに最適化されている面があり、民泊ならではの柔軟性がやや乏しく感じるオーナーもいるかもしれません。

2. 片方だけに集中するメリットとリスク

2-1．メリット：評価やリピーターが集約される

仮にAirbnbだけ、あるいはBooking.comだけに絞って物件を掲載すると、ゲストからのレビューも1つのプラットフォームに集まりやすく、評価点やランキングを集中して上げることができます。プラットフォーム内の評価アルゴリズムが味方につき、検索上位に表示されやすくなる場合もあるでしょう。

また、リピーターやお気に入り登録も同じ場所に集まるため、運営管理が単純になる利点があります。掃除スケジュールや料金設定を1システムで回せるため、オペレーション上の手間が少なく済むケースも考えられます。

2-2．リスク：低評価や掲載停止の打撃が大きい

一方で、大きなリスクとなるのが、万が一の低評価やトラブルが発生したときです。1回の低評価レビューがいきなり平均点を下げ、検索順位が落ちて予約が激減したり、過剰キャンセルやクレームが続いた場合にアカウント停止処分が下されるようなケースもあり得ます。

こうした事態が起きると、唯一の収入チャネルを失うことになるため、一気に売上がゼロになる可能性があります。万全の運営管理をしていても、ゲストとの相性や不慮の事故など、突発的な評価ダウンはどのオーナーにも起こりうるため、リスク分散が必要になるわけです。

3. Airbnb×Booking.com二刀流で得られる安定

3-1．集客チャネルを分散してリスクヘッジ

民泊運営を安定させる最大のポイントは、売上チャネルの多様化です。Airbnbに大きく依存していたら、先ほど述べたような掲載停止やアルゴリズム変更で一瞬にして収益が落ち込む恐れがあります。しかし、Booking.comにも並行して掲載しておけば、一方のプラットフォームで一時的に成果が振るわなくても、もう一方の稼働である程度カバーできる可能性が高いです。

特に災害や需要の変動が発生した際にも、異なる顧客層にリーチできる二刀流は心強い手段と言えます。もしAirbnbの海外観光客が減っても、Booking.comで国内ビジネス出張客を取り込めるなど、相乗効果が期待できるのです。

3-2．予約数アップと稼働率向上

単純に掲載先が増えれば、露出機会が増えるため、結果的に予約数アップを狙えます。両サイトを使うことでターゲットの重複は多少あるとしても、プラットフォームのユーザーベースが異なる部分があるため、想定外のゲスト層を獲得できるチャンスも増加します。

また、一方のプラットフォームで空室になっていた日に、もう一方から予約が入るようになれば、部屋の稼働率が全体的に底上げされ、売上が安定化します。上手く操作すれば、繁忙期に空室を抱えるリスクも最小限にできるかもしれません。

4. 二刀流運用の注意点：カレンダー同期・価格設定など

4-1．在庫管理とカレンダー連携

AirbnbとBooking.comの二刀流を実践するには、ダブルブッキングのリスクに気をつける必要があります。両サイトで同じ日程に予約が入り、結果として「2組のゲストを1部屋に……」なんて事態は絶対に避けたいところです。

幸い、カレンダー同期機能が用意されているため、iCal連携やChannel Manager（チャンネルマネージャー）を使えば、自動的に在庫が更新される仕組みを構築できます。最初は設定に手間がかかるかもしれませんが、運用が始まればダブルブッキングはほぼ防げるため、スムーズな二刀流が可能になります。

4-2．プラットフォームごとの手数料と価格調整

AirbnbとBooking.comでは、手数料体系や支払いタイミングがやや異なります。Booking.comはホスト側がゲストから直接クレジットカード決済を処理する形か、あるいはBooking.comが代理で決済する仕組みも存在するなど、複数のオプションがあるのが特徴です。

手数料率も微妙に変わるため、価格設定を統一するか、若干差をつけるかを検討しましょう。ゲストは複数のサイトで同じ物件を比較することもあるため、ある程度の整合性を持たせる一方で、プラットフォーム手数料を考慮し、利益を確保するバランスを見極める必要があります。

5. 成功事例と失敗事例

成功事例：二刀流で安定稼働を確立

ある都心の民泊オーナーは、Airbnbだけで半年ほど運営していたものの、ある時期に低評価レビューが連続して検索順位が下がり、問い合わせ数が激減してしまったことがありました。そこでBooking.comにも掲載を始めたところ、欧米系ビジネス客や国内旅行者がBooking.comからも予約を入れるようになり、結果として全体の売上が逆に増加。

さらにAirbnbの問題点を改善して高評価を得るようになると、両方のプラットフォームから予約がコンスタントに入り安定経営を実現したという事例です。

失敗事例：在庫連携を怠りダブルブッキング頻発

一方、2つのサイトに載せているにもかかわらずカレンダー同期をしっかり管理しなかったオーナーが、ダブルブッキングを連発。ゲストからクレームと低評価レビューが殺到し、最終的にBooking.comの掲載停止処分を受ける形となってしまったケースも。

二刀流の恩恵を得るためには在庫管理・カレンダー同期が必須であり、そこを甘く見ると、トラブルリスクが高まるという教訓です。

6. まとめ：AirbnbとBooking.comの二刀流が“ベター”な理由

民泊運営において、単一プラットフォームに集中するメリットは、評価やリピーターが集約されるという面で有利かもしれません。しかし、コロナや災害、トラブル、またはプラットフォーム側のポリシー変更で一気に収益が消失するリスクが伴うのも事実です。

そんな中、Airbnbはホストとゲストのコミュニケーションを重視したコミュニティ感があり、Booking.comはホテルのような予約体験を求めるユーザーが多いという特性を踏まえると、両方を同時に活用する「二刀流」は理にかなっているといえます。異なる客層へのアプローチができ、予約経路を分散できるので、リスク分散と稼働率アップの効果を得やすいのです。

もちろん、ダブルブッキング防止や価格設定の整合など、運用面の手間は増えます。しかし、少しのシステム投資やマニュアル整備でそれをクリアすれば、大きなリターンを期待できます。業界の先行きや外的要因に左右されにくい安定経営を目指すなら、AirbnbとBooking.comの二刀流は「ベター」な選択肢と言えるでしょう。安定的な売上確保と広いターゲットへのリーチが叶うため、同じ物件でも結果は大きく変わってくるはずです。

民泊のOTA活用についてはStay Buddyまでご相談ください

「AirbnbとBooking.comの二刀流を試したいけれど、在庫管理や価格調整、ダブルブッキングが不安……」とお考えの方は、ぜひStay Buddy株式会社へお問い合わせください。

民泊運営のプロとして多くの物件を成功へ導いてきた実績をもとに、両プラットフォームの最適な導入手順、カレンダー同期や価格戦略、レビュー管理までトータルにサポートいたします。単一プラットフォームに依存せず、リスク分散と予約拡大を図りたいとお考えの方は、ぜひStay Buddy株式会社とともに二刀流運営にチャレンジし、安定経営を実現してください。