民泊運営で「より高級感を演出したい」「カップルやファミリー向けに大きなベッドを提供したい」という理由から、キングサイズベッド（横幅180cm以上）を検討したことはあるのではないでしょうか。キングベッドは、広々とした寝心地をゲストに提供できるため、高級ホテルのようなラグジュアリー感を演出できる大きな魅力があります。

しかし、いざ導入してみると、「あれ、ぴったり合うシーツがない…」「大きさが合わずにシワだらけで見た目が悪い」というトラブルが意外に多い。日本国内ではダブルベッドやシングルベッドが主流であるため、キングサイズにぴったり合うリネン類がすぐ手に入らないことがしばしば起こるのです。

その結果、ベッドは豪華に見えても、シーツが合わずに見栄えが悪かったり、清掃スタッフが毎回苦労して余分に時間がかかったりと、オペレーションに影響を与えるケースが出てきます。そこで本記事では、「民泊でキングベッドをおく場合に、なぜシーツの先行確保が大切なのか」という視点を中心に、具体的なシーツ選びのポイントや、どこで手に入れるとスムーズなのか、さらに在庫管理やコストの話などを取り上げていきます。

1. キングサイズベッド導入のメリットと落とし穴

1-1．ゲスト満足度のアップ

キングベッドの最大の利点は、やはり圧倒的な広さです。

一般的な民泊のダブルやクイーンでは窮屈に感じる海外ゲストや、夫婦・カップルでの利用で寝返り時にぶつかりたくない人たちにとって、ゆとりあるベッドは大きなアピールポイントになります。さらに、ファミリー層においては親子で一緒に寝ても十分なスペースが確保できたり、複数の友人が雑魚寝スタイルで楽しむなど、幅広い滞在シーンに対応しやすいのが特徴と言えます。

1-2．大きさゆえのシーツ問題

一方で、日本国内の寝具市場では、シングル〜クイーンが主流です。

キングサイズは取り扱いが限られており、合うシーツがなかなか見つからないのが現実。海外製のキングサイズと日本国内の「キング」サイズでは微妙に寸法が異なる場合もあります。結果的に「大きめのクイーンシーツでなんとか誤魔化す」「2枚のシーツを無理やり掛ける」といった苦肉の策に走るケースもあり、見栄えや使用感の面でゲスト満足度を下げてしまいかねません。

2. なぜシーツを先に確保しておくべきか

2-1．サイズ合わずに導入が延期になるリスク

「ベッドを購入してからシーツを探せばいい」と思っていると、実際にベッドが届き、ゲストが来る直前になってようやく「ちょうどいいシーツがない……」という状況に陥る恐れがあります。特に新規オープン前や、繁忙期直前にベッドを入れ替える場合、リネンが足りない状態でオープン日を迎えると、レビューで厳しい意見を受ける可能性が高まるでしょう。

海外製のキングベッドを輸入する場合など、想定外の寸法違いがあることも珍しくありません。物理的に「ちょっと大きすぎる」「もう少し小さいシーツじゃないとダメ」などミスマッチが発覚すれば、余計な返品作業や追加注文に追われてバタバタしてしまうでしょう。

2-2．在庫管理と清掃効率が落ちる

民泊では、ゲスト入れ替えごとにシーツの交換が必要です。

キングサイズのシーツが1セットしかないと、洗濯や乾燥のタイミングが合わなかったり、汚れがひどい時に余裕を持って対応できなかったりして、オペレーションに遅延が起こるリスクがあります。シングルやクイーンサイズに比べ、キングサイズのシーツは単価も高めで、洗濯乾燥にもスペースや時間がかかります。十分な枚数をストックしておかないと、清掃スタッフが最終的に「間に合わない！」と悲鳴を上げることになりかねません。

3. シーツ選びのコツ：サイズ・素材・品質

3-1．海外企画か日本企画かを確認

キングサイズとひとくちに言っても、海外企画のものと日本企画のものでは微妙に寸法が違うことがあります。

例えば、アメリカのキングサイズは約193cm×203cmが一般的ですが、日本のメーカーが「キング」と表記する場合は横幅180cm程度のものが多いなど、国ごとに基準がバラバラです。ベッド本体のサイズをメジャーでしっかり測り、それに合わせて何センチのシーツが必要かを明確にしたうえで、サイズ表記を比較して購入することが大切です。

3-2．素材や厚みで使い勝手が変わる

シーツの素材はコットンやポリエステル混紡などが主流ですが、民泊では洗濯耐久性やシワになりにくいかを重視して選ぶと運営が楽になります。

高級感を出すためにスレッドカウント（糸の密度）が高いホテル品質のコットンサテンを選ぶホストもいますが、その分コストも高くなり、乾きにくいというデメリットもあるでしょう。また、マットレスの厚みが合わないと、シーツがすぐ外れてしまうストレスが生まれます。深さ（ポケットサイズ）を確認し、マットレスの高さに適合するかどうかもチェックが必要です。

4. 在庫確保とコストについて

4-1．最低でも「2〜3セット」は用意したい

民泊でキングベッドを利用する際、清掃サイクルを考慮して、1ベッドあたり最低2〜3セットのシーツを確保するとスムーズです。

• 1セット: 使用中のベッドに掛ける
• 2セット目: 洗濯中or次の予約用
• 3セット目: 予備（急にシミや破れが発生した場合用）

洗濯乾燥に時間がかかることや、繁忙期に連日予約が入るケースを想定すると、1〜2セットでは回らずオペレーションが混乱してしまう可能性があるでしょう。

4-2．まとめ買いや業務用卸を検討

キングサイズのシーツは一般的な通販や量販店では品揃えが限られ、価格も高めに設定されていることが珍しくありません。

そこで、大量調達や業務用であれば、ホテルや宿泊施設向けリネン卸を活用すると割安で購入できるかもしれません。また、洗い替えが頻繁に必要になる民泊では、まとめ買いによるコスト削減が見込めますし、受注生産も選択肢として考えると、ベッド本体のサイズに完全フィットしたシーツを手に入れやすくなります。

5. 清掃・メンテナンスのコツ

5-1．シワになりやすい大判シーツをどう扱うか

キングサイズのシーツは横幅が広く、洗濯・乾燥後にシワが目立ちやすい傾向があります。クシャッとしたシーツをそのまま掛けると見栄えが悪く、ゲストに「清潔感が足りない」という印象を与えるかもしれません。
クリーニング業者にアイロンがけまで依頼するとコストが上がるため、自前で対処するなら乾燥機から出すタイミングを見計らって素早く畳む、シワを伸ばせるようなラックを用意するなど工夫が必要になります。

5-2．定期的な点検と交換の目安

キングサイズのシーツは仕入れコストが高いぶん、長く使いたいと思うかもしれませんが、汚れや生地の劣化が進んでしまったシーツを使い続けるのは良くありません。

民泊ゲストは宿泊料金を支払って清潔で快適なベッドを期待しているため、汚れや穴あきが目立つシーツは一定期間ごとに交換するのが理想です。目安としては、半年〜1年程度で状態をチェックし、黄ばみや繊維の毛羽立ち、破れが増えてきたら新しいシーツへ移行すると良いでしょう。

6. まとめ：キングベッド導入前にシーツを確保し、スムーズな運営を

民泊にキングサイズベッドを導入すると、ゲストに高級感とゆとりのある睡眠環境を提供でき、大きなアピールポイントになります。

しかし、日本国内ではキングサイズ対応のシーツが限られ、サイズの微妙な違いがあったり、コストや在庫管理の面で見落としが起こりがちです。そこで重要なのは、「まずシーツを確保してからベッドを導入する」こと。ベッドを買ってから慌ててシーツを探すのではなく、できればサイズを測り、シーツの手配先や在庫数の確保を事前に計画しておきましょう。

キングサイズのベッドは存在感が大きく、部屋のデザイン次第ではインパクトを生むため、ファミリー層やカップル、海外ゲストに特に人気が高いです。どうせ設置するなら、シーツやリネン類も抜かりなく準備し、ゲストに一段上の宿泊体験を提供してみてはいかがでしょうか。カッコいい見た目だけでなく、清潔で手入れの行き届いたベッドを用意することで、その評価がリピーター増や口コミ拡散につながるはずです。

民泊の寝具関連はStay Buddy株式会社までご相談ください

キングサイズベッドの導入やシーツの手配など、民泊運営に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひStay Buddy株式会社にお問い合わせください。

多くの民泊物件を成功へ導いた経験をもとに、物件の要件チェックやゲスト対応のコンサル、リネン仕入れルートの選択や価格設定など、幅広くサポートを行っています。キングベッド導入時に起こりがちなトラブルを未然に防ぎ、クオリティと収益を両立する民泊運営を一緒に作り上げていきましょう。