民泊を始める際、インテリアや寝具、家電の選定に注力するのはもちろん大切ですが、忘れてはならないのが消耗品です。

ゲストが快適に滞在できるかどうかは、小さな消耗品がきちんと揃っているかで大きく変わります。たとえば、シャンプーやトイレットペーパーなどの日常的に使うアイテムが不足していたり、品質が低かったりすると、「思ったより使い勝手が悪かった」というレビューを受けやすいでしょう。

また、消耗品は運営を継続するうえで定期的に補充する必要があり、最初に何をどのくらい買っておけばいいのか、具体的な目安を知らないと、余分な在庫を抱えることもあれば、すぐに欠品してトラブルが起こることもあります。

本記事では、民泊をスタートするときにぜひ用意しておきたい消耗品をまとめて解説します。各アイテムの特徴や数量の目安、品質を選ぶコツなどを取り上げ、無駄なく効率よく買いそろえるためのヒントを提供します。

1. 消耗品が重要な理由

1-1．滞在の快適度を左右する

民泊が「家のように過ごせる」という魅力を打ち出すならば、日常的に使う消耗品の充実は不可欠です。たとえば、歯ブラシやシャンプーが欠品しているだけでゲストの不満は高まり、「準備不足だ」「対応が行き届いていない」といった印象を与えることにつながります。

一方、必要なアイテムがしっかり揃っていれば、ゲストは荷物を最小限に抑えられ、到着後すぐにリラックスできる点を高く評価してくれるでしょう。

1-2．コストと在庫管理のバランス

消耗品は一度買って終わりではありません。ゲストが入れ替わるたびに補充や交換が必要であり、在庫切れや過剰在庫といった問題に直面しがちです。最初に適切な量をまとめ買いすることで、単価を抑えるメリットはありますが、スペースや資金繰りも考慮する必要があります。

運営初期に何をどれだけ揃えておくかの判断は、民泊のランニングコストや仕入れの計画に大きく影響します。特に複数物件を運営する場合、しっかりとリスト化し、補充スケジュールを管理しないとスタッフの手間や清掃コストも増えやすいです。

1-3．レビュー評価への直結

消耗品が不足していた、品質が低かったなどの不満は、ゲストが残すレビューにもダイレクトに表れます。

いくら部屋が綺麗でも「トイレットペーパーが少なすぎた」「キッチンの洗剤が切れていた」といった声は、そのまま低評価の原因になり得ます。逆に言えば、消耗品の質と量を十分に保つだけで簡単に好印象を得られ、「細かいところまで気配りがあるホスト」との評価につながる可能性が高いです。

2. バスルーム関連アイテム

2-1．シャンプー・コンディショナー・ボディソープ

バスルームで最も使用頻度が高い消耗品がシャンプー・コンディショナー・ボディソープです。これらを詰め替えパックでまとめ買いし、ボトルへ定期補充するか、使い切りパッケージを用意するかを検討しましょう。使い切りパッケージは衛生的だと好まれる一方、コストがかさんだり、ゴミが増えたりするデメリットもあります。

• 詰め替えタイプ: コスト削減しやすいが、詰め替えの手間がかかる
• 個包装タイプ: 衛生面で好まれ、ゲストに好印象だが単価が高い
• ポンプ式ボトル: ラベルをカスタムし、見栄えよく統一感を出すと高級感を演出

2-2．歯ブラシ・歯磨き粉

歯ブラシは使い捨てタイプを用意するのが一般的です。ゲストが短期間で離れていく場合、使い回しは衛生上避けるべきです。歯磨き粉も個包装か小さめチューブを揃え、ゲストが数日滞在する程度で使い切れる量を提供するといいでしょう。

• 歯ブラシ単体の使い捨て: まとめ買いでコストを抑える
• 歯ブラシセット: 小分けされた歯磨き粉と歯ブラシがセットになっているものは取り扱いが楽

2-3．タオル類（バスタオル・フェイスタオル）

タオルも消耗品として扱われるべきです。洗濯や乾燥を繰り返すうちに生地が薄くなったり、吸水力が落ちたりします。予備を多めに持っておき、定期的に新しいタオルに交換するルーティンを作ると、常にふわふわのタオルを提供できてゲストの評価が上がります。

• 厚手のバスタオル: 高級感を演出し、吸水力にも優れる
• 取り替え頻度: 数回の洗濯でボロつくものは避け、耐久性の高い商品を選ぶ

2-4．トイレットペーパーと生理用品

トイレットペーパーは絶対に切らさないように余裕をもって補充する必要があります。複数ロールをバスルームやトイレの見やすい場所にストックしておくと、ゲストが慌てずに済みます。生理用品（ナプキンやタンポン）の用意は必須ではありませんが、特に女性ゲストが多い物件では**「非常用に少量置いてある」**だけで好印象を与えることもできます。

3. キッチン関連アイテム

3-1．食器用洗剤とスポンジ

ゲストが自炊するケースを想定するなら、食器用洗剤とスポンジは必須です。特に海外ゲストは日本の食文化を体験しようと食材を買って調理することが増えています。洗剤がなければ使い終わった食器を洗えず、そのまま放置されるなど衛生上のトラブルにも繋がります。

• 大容量ボトル: コスト効率が高いが詰め替えの手間に注意
• 小ボトル・使い切りタイプ: 短期滞在中心なら使い切りタイプが使いやすい

3-2．キッチンペーパーやラップ

キッチンペーパーは調理中の油拭き取りやテーブルのサッとした拭き取りなど多用途で使われるため、常備しておくとゲストに便利です。食品を保存するラップやアルミホイルも、少量サイズでいいので揃えておくと自炊派には喜ばれます。

• 少量パック: 長期滞在ゲストならまとめ買いしても使い切れる可能性が高い
• ゴミが出にくいラップカッター: スタッフの清掃時に散らかりにくくなる

3-3．ゴミ袋と分別のためのラベリング

海外からのゲストは日本のゴミ分別ルールに戸惑うことが多いです。そこで、透明ゴミ袋を複数サイズ用意し、ラベルで「燃えるゴミ」「プラ」「瓶・缶」などをわかりやすく示すとトラブルが減ります。消耗品リストにゴミ袋を含め、なくなる前に在庫補充できるよう注意しましょう。

4. リビング・寝室での消耗品

4-1．ティッシュペーパーとウェットティッシュ

リビングや寝室に置くべき消耗品として、ティッシュペーパーとウェットティッシュは欠かせません。特にウェットティッシュはちょっとした手指の拭き取りや、テーブル上の軽い汚れを素早く処理するのに便利で、ゲストにとってストレスフリーな暮らしをサポートします。

• ティッシュボックス: インテリアに合わせてデザイン性のあるボックスカバーを使うと統一感が出る
• ウェットティッシュ: アルコール入りか否かで用途が変わるので複数タイプを用意する例もあり

4-2．電池やライトの替え

リモコン、時計、ライト、キーケースなど、民泊では単三・単四電池が必要になるシーンが多いです。使いかけで放置していると、ゲストが照明をつけられない・リモコンが動かないなどの問題が起きるかもしれません。予備の電池を置いておくだけでもゲスト対応がスムーズに進むでしょう。

また、懐中電灯や非常用ライトの電池切れも見落としがちなので、定期点検と補充を習慣化しておきたいところです。

民泊運営を始めるなら、消耗品の準備は最初の大事なステップ。本記事では、タオルやアメニティ、掃除用品など、ゲスト満足度を高めるために最初にそろえるべき必須消耗品をリストアップ。効率よくスタートダッシュを切るための実践ガイドです。

5. 玄関・共用スペースの消耗品

5-1．スリッパやシューズクリーナー

玄関に置くスリッパは、使い捨てタイプ・耐洗濯タイプなど多彩ですが、汚れや匂いの蓄積を避けるためにも、消耗品としての認識が必要です。定期的に古いものを廃棄し、新しいスリッパに交換することで、ゲストが「清潔感がある」と感じる最初のステップになります。

シューズクリーナーや防水スプレーを備えておくと、雨の日や長期滞在のゲストには特に喜ばれます。

5-2．消臭・芳香剤の補充

共用スペースやリビングで嫌な匂いがこもる状況を避けるために、消臭剤や芳香剤を適度に配置しておくことが大切です。ただし、香りが強すぎると逆に不快になる人もいるため、無香タイプの消臭剤や、柔らかい香りの芳香剤を使い、定期的な補充・交換を欠かさないようにしてください。

6. 予備在庫と補充頻度の管理

6-1．在庫を切らさない仕組みづくり

清掃スタッフや運営代行会社が物件に行った時に必ず消耗品在庫をチェックし、不足していれば即座に補充するフローを組むとトラブルが減ります。固定のクローゼットやシェルフに在庫専用スペースを設け、見やすく管理するだけで「どのアイテムが残りどれくらいか」が把握しやすいです。

6-2．ネット通販やまとめ買いでコスト節約

消耗品の定期補充には、ネット通販や業務用卸が便利です。まとめ買いすると割引が効きやすく、単価も下げられます。Amazonの定期便サービスなどを活用すれば、自動的に必要なタイミングで商品が届く仕組みも作れます。ただし、保管スペースが足りない場合は、在庫を抱えすぎないよう注意しましょう。

7. 清掃スタッフやゲストへのインフォメーション

7-1．どこに消耗品があるかの案内

ゲストが「トイレットペーパーが切れたが予備が見つからない」「ゴミ袋がどこにあるのかわからない」というストレスを抱えないよう、簡単な案内書やラベリングを行うといいです。例えば、「洗面所の下の棚に予備があります」「キッチンの引き出しにラップとゴミ袋があります」などを明示しておけば、ゲストがスムーズに取り出せます。

7-2．清掃スタッフへの補充リスト共有

消耗品の在庫をコントロールするには、清掃スタッフが作業中に目視で不足分を確認し、補充用リストに入力する流れが理想的です。あらかじめ「使い捨てスリッパの在庫基準は○○足」「トイレットペーパーは最低3ロールストック」など具体的な数値基準を決めておき、誰が見てもわかる状態にすればミスが減ります。

8. 消耗品コストと収支への影響

8-1．ランニングコストの一部と割り切る

消耗品費は一度に見ると小額ですが、ゲストの回転が多い物件ほど馬鹿にならない出費となります。ただし、これはゲスト満足度と直結するコストであるため、削りすぎると悪い口コミが付き、逆に宿泊単価や稼働率が下がる可能性があります。ある程度の品質と量を確保したうえで、必要な部分だけ最適化するのが賢明です。

8-2．ブランド感を演出して付加価値に

洗面所に高級感のあるブランドのシャンプーやハンドソープを置いたり、コーヒーやお茶の消耗品を高品質なものにするなど、消耗品自体をプチ贅沢要素としてアピールできれば、「この宿は細部までこだわっている」と感じてもらえます。結果的に差別化を図れ、宿泊価格を他より高く設定してもゲストが納得するケースがあります。

9. サステナビリティの視点とゴミ削減

9-1．過度な使い捨てを減らす取り組み

最近はゲストの間でも環境意識が高まり、使い捨てアメニティや大量のプラスチックゴミに否定的な声が増えています。各種消耗品を完備しつつも、可能であれば大容量ボトルやリフィル方式を使ったり、紙製の歯ブラシを選んだりとサステナブルな選択を検討してみましょう。

• 歯ブラシ: 環境配慮型素材を採用しているブランドを選ぶ
• ラップの代替: シリコン製の蓋や再利用可能なラップ、フードコンテナなどでゴミを削減

9-2．分別のわかりやすさで協力を促す

ゲストにゴミ分別をしっかりしてもらうには、明確なラベリングと簡単な説明書が必要です。英語や中国語など多言語表記で「プラ」「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」と書いておけば、海外ゲストでも理解しやすく、スムーズに分別してくれる可能性が高まります。

10. まとめ：消耗品の充実が民泊の評価とリピート率を左右する

インテリアや立地、料金設定だけに目が行きがちですが、実際にゲストが毎日使うもの――シャンプーや歯ブラシ、タオル、トイレットペーパー、キッチン用品などの消耗品こそ、心地よい滞在体験の基礎を支えています。これらをきちんと揃え、在庫を切らさないよう管理し、ゲストが迷わず使えるよう配置・案内することが、高評価レビューとリピーター増に直結します。

一方で、買いすぎて保管スペースが圧迫されたり、足りなくてクレームになったりといったトラブルも起こりがちなため、効率的な仕組みづくりが必要です。清掃スタッフや運営代行会社と協力し、定期的に在庫をチェックして補充し、メーカーとのまとめ買いでコストを抑えるなど、長期目線でのマネジメントを行いましょう。

特に、海外ゲストが多いエリアでの民泊は、多言語対応の説明文や、環境への配慮として過度な使い捨て製品を減らす工夫をすれば、さらなる好印象を与えられます。ゲストが「こんなに快適なら、またここに泊まりたい」と自然に思うような物件を目指すなら、まずは消耗品リストを見直し、質と量を整えてみてください。

民泊の消耗品に関するご相談はStay Buddy株式会社まで！

民泊運営で「消耗品をどうそろえるか」「どのように在庫管理を行うか」「清掃スタッフの補充作業を効率化したい」といったお悩みをお持ちのオーナーや運営代行会社の方は、ぜひStay Buddy株式会社へお問い合わせください。

多くの民泊物件を成功へと導いた経験をもとに、最適な消耗品のリストアップや管理体制の構築、清掃スタッフの教育やコストコントロールなど、幅広いサポートを行っております。

ゲスト満足度を大きく左右する消耗品対策をしっかり固めることで、口コミ評価アップやリピート予約増加を実現しやすくなります。ぜひStay Buddy株式会社とともに、効率的な民泊運営の仕組みを整えていきましょう。