民泊において寝室やリビング、キッチンといった共有スペースはもちろん重要ですが、浴室（バスルーム）こそ、滞在体験の質を決定づける大きなポイントです。とりわけ、「自宅感」を求めるゲストや「日本ならではの入浴文化」を期待する海外ゲストにとっては、ゆったりとリラックスできるバスルームが備わっているだけで大きな魅力となります。

ビジネスホテルやゲストハウスの浴室はどうしても狭く簡易的な設計が多い中、一軒家や広めのマンションを民泊に活用するなら、浴室をもっと広く作り込むことで差別化がしやすいです。広いお風呂は洗練された印象を与えるだけでなく、ゲストが疲れを癒やす大切な空間として高評価を得やすいポイントでもあります。

しかし、「具体的にどんなメリットがあるの？」「浴室を広くするための改装やコストはどうなる？」といった疑問を持つオーナーや運営代行会社の方も多いでしょう。そこで本記事では、「民泊のお風呂は広ければ広いほどいい」をテーマに、なぜ大きな浴室が民泊において大きなアドバンテージとなるのかを詳しく解説します。

1. 浴室が広い民泊が選ばれる理由

1-1．海外からのゲストが求める「バスタイムの贅沢感」

世界的に見ると、日本の浴室文化は独特です。湯船にしっかり浸かってリラックスする習慣が広く根付いており、多くの海外ゲストは日本式の入浴を旅行の大きな楽しみと捉えています。その一方で、ビジネスホテルや小規模ゲストハウスの浴室は狭くて、湯船にしっかり浸かれないことが多い。

そこで、広いバスルームを備えた民泊は「ゆったり体を伸ばして入れる」という特別な魅力を提供できます。特に欧米圏からの旅行者には「日本のお風呂を堪能したい」というニーズが高いため、浴室の広さが決定打となることも少なくありません。

1-2．ファミリー層やグループ滞在にも高評価

家族旅行や友人同士での利用が多い民泊では、複数人が順番に入浴するケースが想定されます。浴室が狭いと一度に入れる人数が限られるだけでなく、次の人が待っている間に廊下で混雑するなど、不便さが目立ちがちです。

一方、浴室がゆったりしている民泊なら、子ども連れの家族が一緒に入浴できたり、荷物を置くスペースに余裕があったりと、細かなストレスを感じにくくなります。結果として「グループ旅行でも快適だった」「子どもの世話がしやすかった」というレビューに繋がりやすいでしょう。

1-3．特別な体験を提供するブランディング

民泊市場が激化する中、他物件との差別化は重要です。リビングや寝室の広さ、デザインで勝負するホストは多いですが、浴室に焦点を当てて「広さと快適さ」をアピールする物件は相対的に少数といえます。そこで、大きな湯船や洗い場を確保し、「バスルームでのんびり過ごせる」というアピールをすれば、特別感を与え、宿泊単価や稼働率を高めることが可能です。

2. 広い浴室がもたらすメリット

2-1．ゲスト満足度とレビュー評価の向上

宿泊レビューでしばしば取り上げられるのが、水回りの清潔感と使い勝手です。トイレ・バスルームは狭くても問題ないと考える人がいる一方、実際には「風呂が快適だった」という点で高評価をつけるゲストは多いです。特に長期滞在やビジネス客は、日々の疲れを癒やす場所としてバスルームを重視します。

「バスタブが大きくて体を伸ばせた」「シャワーと湯船が別々で使いやすい」「洗面台や荷物置きが広々していて助かった」など、細かな感想がレビューに反映され、次のゲスト予約につながりやすいです。

2-2．追加オプションによる収益機会

広いバスルームがあれば、サウナ付きバスルームやジャグジー付き浴槽などの豪華オプションを導入することも可能です。追加料金を設定して「サウナ体験プラン」や「ジャグジープラン」を提供すれば、ハイエンドなゲスト層を取り込みやすくなり、収益性がさらに高まるでしょう。

日本人ゲストにも「温泉やサウナ文化」に対する関心が高まっており、わざわざ外へ行かなくても宿泊先でゆったりと贅沢な入浴時間を楽しめるなら、旅行費用を上乗せしてでも選ぶ価値を感じてくれるかもしれません。

2-3．運営コストの一部相殺によるバリューアップ

大きなバスルームは建築コストや清掃コストが高くなるとイメージするかもしれませんが、高い宿泊単価や長期滞在プランなどで相殺できる可能性があります。特にリピーターを狙えるエリアであれば、一度「ここはお風呂がすごく良かった」と思われれば、再訪率が上がりやすいです。

また、競合の少ない高級路線で価格設定を行えば、回転率（稼働率）だけでなく単価も底上げでき、結果的にコストパフォーマンスが上がるケースが考えられます。

3. 大きなお風呂を設計・確保するうえでのポイント

3-1．物件選びとリフォーム計画

すでにある物件を民泊に転用する場合、浴室を大きくするにはリフォームが必要となるケースが多いです。元々の間取りや配管の位置によっては大掛かりな改装となるため、事前に設計士やリフォーム業者としっかり打ち合わせすることが大切です。

• 構造的制約: 隣接する部屋をつぶして浴室を拡張する案もあるが、耐震や配管が絡む場合はコスト増
• 排水・給湯能力: 大きな浴槽を設置すると給湯器の能力が追いつかない恐れがあるため、給湯器の交換も検討

3-2．給湯設備と温度管理

広い浴槽やシャワーを多数同時に使うと、給湯不足が問題になることもあります。追い焚き機能や大容量の給湯器を設置すれば、複数人が使っても湯温が安定しやすく、ゲストから「水がすぐ冷める」「お湯が途中で出なくなる」といった不満を回避できます。

さらに外国人ゲストはシャワー使用が多いものの、「日本の風呂文化を体験したい」と湯船を使う場合もあり、十分な給湯力がないとビジネスチャンスを逃す結果に繋がります。

3-3．安全面と滑り防止

広い浴室ほど移動スペースが増えるため、転倒防止対策が重要です。床材を滑りにくいタイルやシートに変える、バスルームの一角に手すりを設置する、マットを敷くなどして、特に高齢者や子ども連れにも安心な環境を整えましょう。

4. 浴室清掃やメンテナンスの工夫

4-1．広さゆえの掃除負担

浴室が広いと清潔感を保ちやすい半面、清掃範囲が増えるというデメリットも存在します。カビや水垢対策にはこまめな掃除が欠かせないため、清掃スタッフの負担を考慮し、適切な道具や洗剤を活用しましょう。たとえば、回転モップや長柄のブラシで床や壁を楽に掃除できるようにすると効率的です。

4-2．防カビ・防汚コーティング

リフォームや改装の段階で、防カビ・防汚コーティングを行っておくのも効果的です。加工を施しておけば汚れが付きにくく、カビの発生を抑えられるため、清掃の手間とコストを大幅に軽減できます。特に天井や壁、タイル目地など掃除がしづらい場所にコーティングを施すとクオリティを高めやすいです。

5. ゲストへのアピール方法と価格設定

5-1．写真やSNSで浴室を強調

予約サイトのリスティング写真やSNSでの宣伝では、リビングやベッドだけでなく浴室の魅力もしっかりアピールすると良いでしょう。広々としたバスタブや清潔感あふれる洗い場の写真は、多くのゲストが「ここならリラックスできそう」と感じるきっかけになります。

また、バスルームの一角にシャンプーバーを用意するなどの工夫で、アメニティを充実させていることをアピールできれば、さらに魅力が増すはずです。

5-2．「大浴場付き」のようなコンセプトで特別プラン

海外の旅行サイトや客が集まるプラットフォームでは、「Bath Luxury」「Large Bathtub」などのキーワードを打ち出すと、これを重要視するゲスト層を捉えやすくなります。あえて「プライベート大浴場」風のプラン名や、「広い風呂でゆったり体を伸ばせる体験」などを強調して差別化するのも戦略の一つです。

価格設定については、やや高めにしても「ここならリラックスできる」と思ってもらえれば、ゲストは納得して払うことが多いです。特に日本のお風呂文化を体験したい外国人には、十分な訴求力を持つと思われます。

5-3．長期滞在者やカップル向け割引

広い浴室がある物件は、長期滞在を考えているゲスト（リモートワーカーや家族旅行など）にとっても魅力的です。1週間や1か月などの滞在中、毎日狭いユニットバスでストレスを感じるより、広々した浴室でストレスフリーに過ごしたいと考える人は多いはずです。

カップルでの旅行でも、一緒にバスタイムを共有できるほどのスペースがあれば、「特別な時間を過ごせる」と喜ばれるでしょう。こうしたターゲットには長期利用の割引やカップルプランを設定して、稼働率を高めるチャンスを作れます。

広いお風呂がもたらす民泊の価値アップとゲスト満足度

民泊で競合との差別化を図るなら、寝室やリビングだけでなく、意外と見落とされがちなバスルームに注力するのは非常に効果的です。

広い浴槽やゆとりある洗い場が用意されているだけで、ゲストは「ここは他と違う」と感じ、リラックスや非日常感を楽しみやすくなります。日本の入浴文化に興味を持つ外国人や、仕事の疲れを癒やしたいビジネス客、ゆったりとしたプライベートバスタイムを求めるカップルなど、多様なニーズを満たしやすいのも魅力です。

もちろん、広い浴室を設けるにはリフォーム費用や清掃の負担増などの課題もありますが、運営上の工夫や追加オプションを付与することで、それらを上回る収益やリピーターを期待できるはずです。さらに、写真やプラン名でしっかりアピールすれば、SNSや口コミサイトで「風呂が最高の宿」として認知され、選択率が一段と高まる可能性も大いにあります。

大きなリビングや高級感のある内装に投資するのも素晴らしいですが、“風呂”の存在感をあなどらないことこそ、民泊ビジネスをより豊かな可能性へと導いてくれるポイントではないでしょうか。今後、新規物件のリフォームや既存物件の改装を考えるなら、浴室の拡張やバスタブのアップグレードを前向きに検討してみてください。

民泊の物件構築はStay Buddy株式会社への問い合わせ

民泊で「広いお風呂」を作りたいけれど、リフォーム費用や建築要件、さらには清掃管理などの面で不安がある――そんな場合は、ぜひStay Buddy株式会社へお問い合わせください。

多くの民泊物件を成功へ導いた経験をもとに、バスルーム拡張のアドバイスやリフォーム業者の選定サポート、さらにゲストコミュニケーションの最適化や清掃スタッフの教育など、総合的にサポートいたします。ぜひ私たちと共に、ゲスト満足度を最大化した民泊運営を実現しませんか。