空き部屋や空き物件を宿泊施設として活用する民泊が一般的になってきています。コロナ禍以降は、従来のホテルや旅館とはひと味違った過ごし方に惹かれる旅行者も多く、民泊ビジネスに興味を持つオーナーが加速度的に増えているのが現状です。

しかし、いざ民泊を運営してみると、初めて気づくさまざまな“おもてなし”のハードルが存在します。その中でも、ひと際大きな影響を及ぼすのが「エアコン選び」です。気候や部屋の大きさ、建物の特性に見合ったエアコンを導入しないと、ゲストの満足度を大きく下げてしまうリスクがあります。

本記事では、「民泊におけるエアコン選びのポイント」を、シンプルかつわかりやすくまとめました。「とにかくケチらない」ことが大切だという理由や、畳数表示の守り方、電気代への影響など、ゲスト満足度と運営コストの両方の面から解説していきます。エアコンの性能は“民泊の口コミ評価”を左右する重大な要素です。ぜひチェックしてください。

エアコンは絶対にケチってはいけない

エアコンは“おもてなしの要”です。ここをケチってしまうと、想定外のトラブルや不満が噴出しかねません。

壊れるリスクが高まる

安すぎるエアコンを設置すると、当然ながら耐久性や部品の品質に不安が残ります。ゲストが泊まっている最中に突然エアコンが故障して冷暖房が効かなくなるのは、民泊オーナーにとって絶対に避けたいところ。急いで業者に修理を依頼しても、部品取り寄せに時間がかかるかもしれませんし、繁忙期ならすぐに対応してもらえない可能性もあります。その間に宿泊中のゲストは「とても不快だった」と感じ、低評価レビューを投稿するでしょう。

効きが弱くて不評を買う

夏の猛暑や冬の厳寒の中、エアコンの効きが悪い部屋で過ごすのは苦痛以外の何物でもありません。いくら部屋の内装や立地が魅力的でも、体感温度が快適でなければ、民泊全体の評価が落ちてしまいます。特に海外からのゲストは、日本の気候への慣れがないケースも多く、適切な空調は滞在時の満足度を左右する重要なポイントです。

電気代が結果的に高くなる

「安価なエアコンだから電気代も抑えられるだろう」と思うのは誤解です。むしろ省エネ性能が低いエアコンをフル稼働させると、電気代は高騰しやすくなります。現代のエアコンはインバーター技術などが進んでおり、多少初期投資が高くても省エネ性能の高い製品の方が長い目で見てコストを抑えられることが多いのです。

畳数表記は守る。むしろ余裕を持たせることが大事

エアコンを選ぶ際、「〇畳用」といった表記を見かけるはずです。たとえば6畳用、10畳用、14畳用など、多くのメーカーが部屋の広さに応じたラインナップを用意しています。この表記はあくまで目安ですが、大きく逸脱してしまうとエアコンの効率が落ち、部屋全体の快適度合いが変わってきてしまいます。

表記以下の定格にしない

例えば10畳の部屋に対して6畳用のエアコンをつけるなど、明らかに能力不足の製品を選ぶのはリスクが大きいです。必要な冷房・暖房能力を満たしていないため、夏も冬もフルパワー稼働が常態化し、性能が劣化しやすくなるだけでなく、ゲストから「全然涼しくならない」「暖まらない」というクレームが出やすくなります。

少し広めの畳数用を選ぶメリット

実際には、部屋の形状や天井の高さ、日差しの入り具合などで快適性は変わるので、余裕のある畳数表記のエアコンを選んでおくと安心です。広めの部屋向けに設計された製品なら、パワーに余裕があるため、素早く部屋を冷暖房でき、かつフルパワー稼働の時間が短くなるぶん、省エネにもつながりやすいというメリットがあります。

ゲスト満足度を下げないエアコン選びのコツ

エアコンは現代の民泊にとって、かつての“鍬”や“鎌”のような必需品です。農民が自分の道具を大切に扱わなかったら、その年の作物収穫が危うくなるように、民泊でのエアコン選びを誤るとビジネスそのものに影響が出る可能性があります。ここでは、ゲスト満足度を下げないための具体的な考え方や選び方をまとめます。

省エネ性能と耐久性

エアコン選びは長期的な視点でいかに効率よく消費電力を抑えられるかを見極めることが大事です。省エネ性能が高い製品は初期費用がやや高くなりますが、ゲストが頻繁に利用する物件なら、数年で差額を回収できる場合があります。

静音性と操作性

民泊ゲストの中には、夜遅くまでエアコンをつけっ放しにする人も少なくありません。うるさいエアコンがついていると眠りを妨げられ、不満を募らせる原因になります。静音性能に配慮した製品を選んだり、風向きや風量を細かく調整できるかどうかも確認しておくとよいでしょう。

また、リモコンの操作が直感的にわかりやすいかどうかも大事です。外国人ゲストを想定する場合は、操作説明書きやリモコンの表記を多言語対応にする工夫も検討してください。

定期メンテナンスとフィルター掃除

新品のエアコンを導入しても、フィルター清掃や室外機まわりのチェックを怠ると、冷暖房効率がどんどん落ちてしまいます。

特に室内のフィルターはホコリがたまりやすく、放置すればカビやにおいの発生源にもなりかねません。定期的にメンテナンスをする仕組みをつくる、もしくは代行会社や清掃スタッフと連携してフィルター掃除をルーティン化しておけば、常に高い性能でエアコンを稼働させられます。

エアコンの消費電力と電気代をコントロールする方法

民泊は、ゲストの滞在状況によって光熱費が大きく変動する業態です。ゲストが自由にエアコンを使うため、オーナーが直接的に使用状況を把握しづらいという面があります。しかし、それでもいくつかの対策を講じることで、電気代を抑えながら快適な室内環境を提供することができます。

インバーターエアコンの導入

インバーター技術を搭載したエアコンは、室内温度に応じてコンプレッサーの回転数を制御するため、無駄な電力を消費しにくい特徴があります。ゲストが長時間使用しても、一定温度に達した後は穏やかな運転モードへ切り替えてくれるため、電気代の大幅な上昇を抑えられます。

断熱対策も検討する

もし建物自体が断熱性に劣っていると、いくら良いエアコンを使っていてもすぐに部屋の温度が外気に影響されてしまいます。窓に断熱フィルムを貼ったり、隙間をパッキンで塞ぐなど、小さな工夫で驚くほど冷暖房効率が変わるケースもあります。断熱補強は初期投資が必要ですが、ゲストの快適性と電気代の削減に直結するため、長期的にはメリットが大きいです。

スマートホーム化での遠隔管理

近年ではスマートホーム技術を利用し、エアコンを遠隔操作できる仕組みも登場しています。ゲストの使用状況をオーナー側でモニタリングし、チェックアウト後にエアコンの電源がついたままの場合は遠隔でオフにする、といった対応が可能になります。ただし、プライバシーや使い勝手の問題もあるため、事前にゲストに周知するか、ルールを徹底することが必要です。

エアコンには絶対に投資を惜しまないこと

エアコンのような初期投資をケチると痛い目を見るリスクが高いです。長期的に安定した収益を狙うには余裕をもって良い家具備品を揃えるのが不可欠です。エアコンはゲストの快適性を大きく左右する要素であり、温度管理ひとつで「この民泊は快適だった」「また泊まりたい」と思ってもらえるかどうかが変わります。

• ケチらない：壊れるリスクや効きの弱さが生み出す低評価は命取り
• 畳数表記を守る：むしろ広めの対応畳数で能力に余裕を持たせる
• 省エネ性能・耐久性：初期投資が高くても結果的にコストダウン
• 操作性・静音性：ゲストがストレスを感じないかどうかを考慮する
• 定期メンテナンス：フィルター掃除や部品点検を欠かさない

Stay Buddy株式会社へのお問い合わせ

民泊運営を始めるにあたって、エアコンを含む設備投資のプランや運営手順が不安な方は、ぜひStay Buddy株式会社にお問い合わせください。物件ごとの最適な空調設定や内装コーディネート、集客や清掃管理にいたるまで包括的にサポートいたします。ゲスト満足度を高めるために、お客様に合わせたプランニングを一緒に作り上げていきましょう。