田舎での民泊経営は儲かるのか？成功するポイントや失敗のリスクまで解説

コロナが終息し観光客が戻りつつある今、民泊を始めたいと考える方が増えています。民泊は都心部はもちろん田舎でも高いニーズがある一方、運営の成功には押さえておきたいポイントがあります。特に、利益を上げられるか不安視されやすい地方での民泊運営について、しっかり成功するための運営方法と注意点を解説します。ぜひ、地方での民泊運営の参考にしてください。

田舎での民泊経営は儲かるのか？

まずは、田舎での民泊経営が実際に儲かるのかについてお話しします。田舎で民泊を行って利益を得られるか不安に思う方も多いですが、結論としては十分に収益化が可能です。都会に比べて物件価格や改修費が低いため、初期費用を抑えた運営ができます。また、田舎ならではの広々とした空間を活用したユニークな宿泊体験を提供することで、都市部にはない魅力をアピールできるのです。海外からの観光客は、都市部だけでなく地方の日本文化や自然に興味を持つ人も多く、田舎ならではの特別な空間と体験を提供することで収益を期待できます。

田舎での民泊経営が儲かる理由

田舎での民泊経営には、都市部にはない多くの魅力があります。ここでは、田舎での民泊が収益を上げやすい理由をいくつかご紹介します。

都心部と比べて競合が少ない

田舎での民泊は競合が少ないため、集客がしやすいという大きな利点があります。都会のように宿泊施設が密集していないため、観光スポットや自然豊かな場所では、宿泊先が限られます。そのため、宿泊客にとっては選択肢が少ない分、田舎で独自の魅力を持つ民泊は注目を集めやすいのです。地元の特産品や季節の行事を絡めたサービスを提供すれば、リピーターを増やしたり、口コミによって新たなゲストを呼び込むことも期待できます。

初期投資を抑えられる

田舎での民泊経営では、初期投資が比較的安く済む点も大きなメリットです。田舎の物件は都心に比べて土地や建物の価格が低いため、物件購入やリフォームにかかる費用が抑えられます。また、地方自治体によっては、空き家活用に対する補助金やリノベーション支援がある場合もあり、費用をさらに軽減できる可能性があります。こうした補助金や支援を活用すれば、より低コストで魅力的な宿泊施設を作ることができ、早期の収益化も狙えます。

外国人の“田舎ニーズ”が高まりつつある

田舎の民泊は、日本らしさを感じられるため、特に外国人観光客からの人気が高まっています。日本の田舎は、アニメや映画、ドラマなどを通じて多くの外国人観光客にとって憧れの場所となっています。畳やふすまといった和のインテリアがあるだけで非日常を味わえ、さらに着物の着付けや農業体験といった日本ならではのアクティビティを提供すれば、他にはない宿泊体験が提供できます。都市部から離れていても、「日本の文化を間近で感じたい」というニーズが追い風となり、田舎の民泊にとって大きな集客効果が期待できます。

民泊に活用しやすい空き家が多い

田舎の空き家は都心に比べて広々としている上、日本独自の風情を感じさせる物件が多いため、民泊に転用しやすい物件が多く存在します。地方では人口減少が進み、空き家の数も年々増えているため、活用されていない物件を民泊として利用することで収益化が図れるのです。特に、相続によって田舎に空き家を保有している場合、活用方法に迷う方も多いですが、民泊として運用することで維持管理費の負担を軽減し、定期的な収益を見込むことができます。

田舎の民泊経営で成功するためのポイント

田舎で民泊を成功させるためには、特有のポイントをしっかりと押さえることが大切です。都会とは異なるニーズを理解し、魅力的な宿泊体験を提供することで集客を効果的に行えます。これから始める方は、以下の内容をぜひ参考にしてください。

良い立地を見つける

田舎の民泊で利益を上げるためには「立地選び」が非常に重要です。都会での「立地」がアクセスの利便性に焦点が当たるのに対し、田舎ではその土地が持つ独自の魅力や自然景観が求められます。地域の方々とも良好な関係を築き、地域社会の一員として馴染むことも大切です。地域の活性化に貢献する一環として民泊を展開すれば、地域住民や観光客にとっても価値のある宿泊施設にすることができます。

競合物件との差別化を図る

田舎の民泊でも周辺には宿泊施設が存在するため、競合と差別化できるポイントを設けることが大切です。例えば、現地の特産物や地域の観光資源を活用したサービスを提供すれば、他の宿泊施設と異なる魅力をアピールできます。特にアクセスしやすい駐車場の設置や、送迎サービスなどの交通面のサポートを加えることで、より選ばれる宿泊先になれるでしょう。

明確なターゲット設定を行う

民泊の稼働率を上げるには、どのような層をターゲットにするかを明確にすることが重要です。例えば、カップルや少人数グループ向けの静かな宿泊空間にするのか、あるいは家族連れや大人数での宿泊に対応できる広々とした宿泊施設にするのか、狙うターゲットによって内装や設備を工夫しましょう。ターゲットに合ったテーマで統一することで、宿泊者に分かりやすいメッセージを届けることができます。

その地域ならではの特別体験を企画する

田舎での民泊の強みは、その土地ならではの体験を提供できることです。例えば、地元の農業や漁業体験、伝統工芸のワークショップなど、地域の文化や自然を感じられるアクティビティを用意すると、宿泊者の満足度が高まります。また、季節のイベントや地元のお祭りの参加など、旅行客が「ここでしかできない体験」を楽しめるようなプランを提供することで、リピーター獲得にもつながります。

民泊予約サイトなどWeb集客を徹底する

田舎の民泊経営では、都会以上にWeb集客が重要です。AirbnbやBooking.comといった民泊予約サイトに加え、InstagramやFacebookなどのSNSを活用することで、より多くの旅行者に情報を届けることができます。また、施設の魅力を伝えるための写真やレビューも重要です。口コミを活用して実績を積み上げ、オンライン上での評価を高めることで、田舎でもしっかりと集客が見込めるようになります。

田舎の民泊経営に潜むリスク

メリットが多い一方で、田舎の民泊経営にはリスクも存在します。事前に知っておくことで、経営がスムーズに進むよう対策を講じておきましょう。

初期費用がかかる

田舎での民泊経営も、初期費用は必要です。特に、建物を宿泊施設として使用できるようにするためにはリフォームや家具の購入が不可欠で、費用が思ったよりもかさむことがあります。しかし、都心部と比べて土地や建物の購入費用が安く抑えられるケースが多いことはメリットです。初期費用を惜しむことなく、宿泊者に快適な空間を提供するために必要な設備にはしっかりと投資しましょう。

日数制限がある

民泊にはいくつかの運営方法がありますが、一般的な「民泊新法」に基づく住宅宿泊事業では年間180日間の営業日数制限があります。日数制限があるため、収益が限られることがあるので、管理費や運営費とのバランスを取りつつ計画的な運営が必要です。一方、日数制限のない「旅館業法」や「特区民泊制度」を利用することで、さらに長期間の運営が可能になる場合もあります。

利益がシーズンによって変動する

田舎の民泊経営は、季節や天候によって収益が変動しやすい点に注意が必要です。特に、長期休暇や夏の観光シーズンには予約が集中しますが、台風シーズンや冬季などは利用者が減少しやすくなります。自然災害が発生しやすい時期には、キャンセルが増えやすく、収益が不安定になることもあります。シーズンごとの需要に合わせたプランを立て、安定した運営ができるように工夫をしておきましょう。

田舎で民泊経営をする際に気を付けるポイント

田舎での民泊にも都会と同等の魅力があるとご理解いただけたかと思いますが、運営には独特の注意点もあります。ここでは、田舎で民泊を始める際に気を付けるべき点をいくつかご紹介します。

事前に収支計画を立てておくこと

田舎での民泊は土地代が安く、初期費用が抑えられることが多いため、価格面で有利になるケースが少なくありません。しかし、収支計画を立てずに経営を始めると、気付かないうちに支出が膨らみ、経営が赤字に陥る可能性もあります。どの費用にどれだけかけ、どう利益を出すのかといった具体的な計画を立てたうえで経営を進めましょう。民泊運営の初期段階では収入が変動しやすいため、柔軟に対応できるような計画を心がけてください。

自治体の条例を確認する

民泊には運営を規制する条例があり、各自治体でも独自のルールが定められていることが少なくありません。特に、周辺住民とのトラブルを防ぐために民泊が禁止されていたり、時間帯や利用方法に細かな規制が設けられている自治体もあります。「運営準備が整ったのに、実は民泊が許可されていなかった」という事態を避けるためにも、民泊のある自治体の条例をきちんと確認しておきましょう。

用途地域を確認する

民泊を行う物件の用途地域も事前に確認しておくことが必要です。日本の土地には都市計画法による用途地域が設定されており、民泊や簡易宿所として使用できる地域には制限がある場合もあります。用途地域には「住宅専用地域」「商業地域」「工業地域」などがあり、民泊が認められていないエリアも存在するため、民泊運営の可否を確実に調べておきましょう。また、用途地域の変更申請には多くの手続きや費用が発生するため、スムーズに運営できる地域を選ぶことが望ましいです。

メリットやリスクを押さえたうえで田舎での民泊経営にチャレンジしましょう

田舎の民泊は、都会とは異なる独自の魅力があり、多くの旅行者からの注目を集めています。田舎の民泊なら、都会の喧騒から離れ、家族や友人と心地よく過ごすのに最適な場所を提供できます。広々とした空間と美しい自然環境があれば、日本の情緒を感じられる空間として、海外からの観光客にも魅力的な民泊となるでしょう。

加えて、空き家問題の解決や地域活性化に貢献できる点も、田舎での民泊ならではのメリットです。これから民泊運営を始める場合は、各種条例や地域の規制をしっかり確認し、準備を進めてください。運営に必要なポイントをしっかり押さえ、安定した収益につながる民泊運営を目指しましょう。